2014年06月27日

再放送で約20年ぶりのご対面、ジェットコースターサスペンス『もう誰も愛さない』

『もう誰も愛さない』というドラマをご存じだろうか?
1991年に放送されたドラマで、あまりの展開の速さと、ほとんどの主要人物が死にまくるという壮絶なストーリーで話題になった、トレンディドラマの一角である。一話分どころか、一シーン見逃しただけで、その後の展開についていけなくなることから、『ジェットコースタードラマ』とも呼ばれた。

先日、TOKYO MX2で再放送されているのを知って、録画して見た。
そして、その放送が終了した。

いやー、懐かしい。
皆、これでもかというくらいに悪党で、これでもかというほどに死にまくる。
殺される(死ぬ)人も多いが、カネで雇われて殺しを請け負う人も多すぎ。
この頃の日本は、こーゆードラマで刺激を受けたいと思うほど、平和だったのかもしれん。

唯一残念だったのは、当時、テレビ局に抗議が殺到したとされる残酷なシーンが、カットされていたこと。冒頭で『作品のオリジナル性を尊重して、そのまま放送します』といった内容のテロップが出ていたので、てっきり全編完全放送になるのかと期待していたのだが、それは叶わなかった。

以下、私の独断と偏見による『カネ執着度』とともに、各登場人物をご紹介。
人数も多いので、記事がやたら長いんじゃ状態になってしまったが、見たことのある方は、あー、そんなんだったっけ、と思い出しながらお読みくだされ。

ちなみに、最終的にはほとんどの人物が、最終回までに死んでます。

沢村 卓也(演:吉田栄作)

カネ執着度:70%
本作の主人公。
第一話では、根暗なただのダメ人間だったはずなのだが、東都銀行支店長の運転手から社長の専属運転手、土方のバイト、戸川建設の子会社社長、ガソリンスタンドのバイト、観葉植物リース会社の社長、商社不動産部門の部長……etc. と、マルチな才能を発揮する。

イケメンでありながら仕事ができ、ラフな格好からダブルのスーツまで、なんでも着こなす完璧超人。作中で下手だった描写は、ゴルフとリンゴの皮むきくらい。

途中、半身まひとなり、敵対していたはずの美幸の庇護を受ける。その際、牛乳で汚れた美幸の足を、舐めて拭き取ったシーンは一部のファンの間で有名。

「うおおぉぉ!」と叫ぶのが決めゼリフであり、決めシーン。
当時はみんなマネした(ウソ)。

基本的に『カネのためならなんでもする』がモットーなのだが、どちらかというとカネのために人からいろいろ指図され、そのうち自暴自棄になってしまうという展開が多いような。めんどくさくなったら、叫ぶか色仕掛けしてるかのどっちかな気がする。

間接的に多くの人を不幸に陥れつつ、直接的には誰も殺していなかったのだが、最終話で王をはじめとするブルースコーポレーション軍団を大量虐殺(といっても4人だけど)。

最期は王と刺し違え、飛んできた1000円札に思いを馳せながら死亡。

宮本 小百合(演:田中美奈子)

カネ執着度:90%
元は東都銀行員。
男を手玉にとり、他人を利用することで大金をせしめようとする策謀家。本編最初の死亡者である松島(小百合の差し金で美幸を襲った人物)を殺したのは、彼女である。

自分のしでかした悪事を差し置いて、人から受けた仕打ちを「ひどい」と言ってのけるなど、かなり鬱屈した性格の持ち主だが、親に捨てられ、孤児院で育ったことを考えれば、致し方のないところか。

当初は米倉の愛人だったが、卓也とともに、戸川の力を借りて米倉の地位乗っ取りに成功。卓也を社長に据えたS&T社(戸川の子会社)で副社長を務め、まっとうな世界でも、その手腕を発揮する。

子宮がんを発症してからは、カネに執着する姿が鳴りを潜め、真人間に変貌。

何度か殺し屋を雇っているのだが、銀行員って、殺し屋ルートに顔が利くのか?
がんが悪化して入退院を繰り返す中、最終話で死亡。
しでかした悪事は、すべてなかったかのように、孤児院で安らかに眠りにつく。

田代 美幸(演:山口智子)

カネ執着度:50%
元・東都銀行員。
裕福な家庭に育ち、エリートと婚約、人並み以上の幸せな生活を送っていたことから、性根の曲がった小百合に目をつけられる。

小百合の罠にはまってさあ大変、逮捕されたのを皮切りに、家族が崩壊+消滅し、家を乗っ取られ、妹は記憶喪失、入院中に失明、流産、実刑、服役中にイジメと、前半戦の不幸の90%は、この人が抱え込んだ。

その献身的な姿勢から一転、ブルースコーポレーション日本法人の支社長として社会復帰。後半は敏腕女社長、冷酷サディスト、復讐の鬼と、そのキャラを変貌させていった、山口智子の演技力が光るキャラ。

愛する人(卓也)のために横領に手を出したのはともかく、復帰後の後ろ盾となった会社のカネまで横領するくらいだから、よほど横領癖があったのか。社長就任後、ヒステリックな感情表現が増えたのは、仕事が激務だったから?

最終話で早期胎盤剥離と診断され、命がけで卓也の子を出産。結局美幸はの生死は不明のまま、ドラマは幕を閉じている。
罪歴は横領、殺人(小百合が差し向けた刺客を返り討ち)、
殺人教唆(指示)は数知れず……。

牧村 通(演:薬丸裕英)

カネ執着度:40%
初登場時の肩書はエリート証券マン。
美幸の婚約者として未来ある好青年……だったのは最初の5分くらいで、美幸が襲われたのをきっかけに豹変。婚約解消ののち、恨みつらみの量産マシーンと化す。

地頭と要領の良さは折り紙つきで、数々の事件を引き起こしたにもかかわらず、警察の目をかいくぐって逃亡。時には風俗嬢のヒモになったり、町田や美幸、米倉、王と、その都度共謀するなどして生きながらえる。

米倉とともに亜紀(当時卓也の妻)を強姦、林をはじめ、王の手下を何人か殺害している。こんなのが何年も野放しにされてて、日本の警察機構は大丈夫か。

卓也に対しても幾度となく殺人未遂を繰り返したが、すべての原動力は美幸LOVEによるもの。最期も王の襲撃から美幸を守るため、王に一矢報いて返り討ちに。

全編通して、嫌われ者の王道を行くキャラだったが、最後の最後で見せ場を作り、散った。

米倉 俊樹(演:辰巳琢郎)

カネ執着度:60%
不動産会社ヨネクラのヤリ手社長。
戸川財閥の下で頭角を現し、亜紀(戸川娘)と婚約するなど順風満帆だったが、愛人として囲っていた小百合に利用され、卓也の踏み台にされて、失脚。

その後バーテンダーとして再起を図りつつ、美幸を追い落とすための情報収集を進めるうちに、小百合のがん闘病に直面。美幸の横領金10億を横取りし、小百合の生まれ育った孤児院を守るために寄付するも、直後に王の手下によって射殺された。

序盤はかなり横柄な態度が目立つヤクザ社長、のちに落ちぶれ、チンピラ同然の風体に。そこに『くいしん坊!万才』の面影は微塵もなかったが、晩年は人の心を取り戻した。

「女は考えるようになっちゃおしまいだ」「馬鹿な女ほどカワイイ」が持論だが、小百合のことは本当にLOVEだったらしい。一時、牧村と共闘したのも、想い人を持つ者同士、通ずるものがあったからか。

再放送では、「小百合……」とつぶやきながら、吐血して絶命する最期のシーンがカットされていたのが、残念でならない。

町田 玲子(演:伊藤かずえ)

カネ執着度:100%
戸川財閥の顧問弁護士、兼戸川会長の愛人。
小百合をも凌ぐ、本作随一のカネの亡者。金の匂いに敏感で、大金の動く話に一枚絡み、金のためなら結託・裏切りを厭わず、命の危険をも顧みない。

結果、欲が過ぎたために王の怒りを買い、バラバラにされてゴミ置き場に捨てられるという、テレビドラマ史上一、二を争う凄惨な形でこの世を去る。

この殺され方は非常にインパクトが強く、特に伊藤かずえの生首シーンが強烈過ぎて、視聴者から抗議が殺到。再放送では生首のシーンが削られてしまった。そんじょそこらのホラーよりよっぽど恐い、私の記憶にも生々しく焼き付いているシーンだ。

悪徳の二文字はつくが、弁護士だけあって頭脳は明晰。危ない橋を渡っているのを自覚しながら、最後の最後で詰めを誤ったのは、200億という大金に目がくらんだがゆえか。

沢村 元春(演:佐川満男)

カネ執着度:80%
がんに侵されながら、殺人の罪で無期懲役の刑に服している、卓也の父親。

……という立ち位置で登場していたが、実際にはがんではなく胃潰瘍で、最終的には小百合の実父、および卓也の養父であることが発覚。父親詐称を繰り返した上に、握っていた事件の核心を一向に喋らないために、見ている側はややこしくなった。

このヒトも意外とカネへの執着心が強く、再審請求資金を作れそうな人なら誰でもすり寄り、作れない人は、たとえ家族でも突き放す。
口癖は「オレぁもう長くねぇ」「あんただけが頼りだ」「帰ってくれ」。

最終話で、刑務所から脱獄(手引きしたのは玲子)。
孤児院を訪れたところで、王の手下からマシンガンで蜂の巣にされて死亡。
全身くまなく銃弾を浴びても、懐から写真を取り出し、卓也に渡す生命力の強さを垣間見せた。

林 洋二(演:山口健次)

カネ執着度:20%
ブルースコーポレーションにおける美幸の秘書。
前半の不幸人が美幸なら、後半の不幸人は彼。

美幸のストレス解消に、彼女と寝ることになったのが不幸の始まり。勘違いした挙句、諫言したり出過ぎた真似をしたりして、ことあるごとにクビ宣告されたり、美幸の叱責を受けたり。米倉たちが10億奪って殺される羽目になったのは、こいつが美幸の隠し金庫の存在を簡単にゲロッたからである(言いがかり)。作中で彼が美幸から食らったビンタの数は、二桁に迫る勢い。

王が「彼の優しさが仇となった」と言うだけあって、ブルースコーポレーションの中では、情を持った、比較的まともなキャラ。しかし、まともな人間ほど、このドラマでは長生きできない。

会社を追われて自暴自棄となり、最期は美幸と無理心中に及ぼうとしたところ、潜伏していた牧村やっくんに「スシ食いねぇ!」と言われて(ウソ)背後から刺され、絶命。

戸川 亜紀(演:荒井乃梨子)

カネ執着度:0%
海外育ちで世間知らずな、戸川財閥の箱入り娘。

愛人との間に生まれており、本人もそれを自覚している。その割には、比較的まっすぐに育った。米倉との政略結婚に応じたものの、卓也のイケメンパワーの前に陥落、米倉と小百合が密会していたところに出くわしたのを口実に婚約を解消し、卓也に鞍替え、のちに結婚する。

(少なくとも本人は)順風満帆だったが、卓也を失脚させようと企んだ米倉と牧村(美幸が指示)に乱暴され、離婚を余儀なくされる。しかしイケメンパワーは揺るがず、その後も職や住まいを提供するなど、陰ながら卓也を支援。実家を出て一人暮らしを始めるなど、精神的にたくましい一面も。

戸川の娘という立場から、もう少し身の危険に晒されても不思議ではないが、金欲と愛欲に縁遠かったためか、命を狙われずに終わる。主要人物の中では、五体満足で生き残った貴重な人物。

戸川 啓介(演:仲谷昇)

カネ執着度:90%
戸川財閥の会長にして、政治の世界にも幅を利かせる、経済界のドン。

使えるものは何でも使い、使えなくなったもの(あるいは弊害のあるもの)は容赦なく切り捨てる。米倉や卓也も、彼の力にすがり、そして捨てられた。

かつての右腕だった樫村健三の台頭を疎み、沢村元春を使って樫村の殺害を企てたことが、やがて残忍な王小龍を生み出すことへと繋がっていく。

愛人を数多く抱えており、女性のほくろを数えるのが趣味。
ドラマではかろうじて生き残ったが、最終話で脳梗塞を発症し、半ば植物人間状態に。

王 小龍(演:伊武雅刀)

カネ執着度:80%
ワン・シャオロンと読む。香港に拠点を置く企業・ブルースコーポレーションの社長。

若いころに美幸の父親に命を助けられたことから、出所した美幸を受け入れ、ブルースコーポレーションの日本支社長に抜擢する。初登場からしばらくは、中国なまりの日本語を用いる怪しい中国人だったが、いつの間にか流暢な日本語を操るようになる。中国のことわざを引き合いに出すクセがあるが、メイ・リン(メタルギア・ソリッド)ほどのバリエーションはない。

恩返しの名のもとに、美幸の復讐を資金面でバックアップ。戸川との接点を作ったことで、細かい問題をすべて水に流してきたが、10億もの金を横領されたことで愛想を尽かし、美幸の殺害を決意。この直後、ブルースコーポレーションは香港マフィア集団と化す。

王小龍は仮の姿で、本名は樫村健三。卓也(本名:樫村満)の実父。
最終話で、卓也(満)の銃弾に倒れる。

田代 弥生(演:観月ありさ)

カネ執着度:0%
田代家の末っ子、美幸の妹。
目の前で姉が襲われる惨状に遭い、そのショックで記憶喪失となる。その後、家が全焼、家族が焼死した中で、(美幸を除いて)唯一生き残る。

美幸の拘留・服役で身寄りのない中、記憶が戻ることを恐れた小百合に引き取られる。小百合や美幸と並んで登場することが多かったが、さすがモデルだっただけあって、とにかくデカい。

最終的には記憶を取り戻し、一連の事件が小百合によって仕組まれたものであったことを認識するが、実の姉である美幸と養育の姉である小百合との間で葛藤し、あろうことか、当時美幸とともに同居していた卓也に出て行けと迫る。え、そっち?

結果、喧嘩をやめて、二人を止めて、ワタシのために争わないでと、美幸が小百合に差し向けた刺客の銃弾を(小百合をかばう形で)受け、死亡。
本作における最年少死亡者である。

田代 春樹(演:神田利則)

美幸の弟。
昭和に大量発生した浪人業を営むが、姉の逮捕と自宅の売却問題、そして自分の将来に対する悲観で自我崩壊に陥り、灯油をまいて火をつける自爆テロを遂行。両親と家ともども、この世を去る。

生き残っていたとしても、キャラ的に牧村二号になっていた可能性が高い。

田代 裕二(演:平野稔)

美幸の父親。
三人の子供に恵まれ、長女が晴れて婚約、経済的にも恵まれ、絵にかいたような幸せな家庭を築いたはずだったが、昭和のドラマは平凡な家を完膚なきまでに破壊した。

娘が逮捕され、傷心の渦中で卓也と米倉の罠にはまって自宅の権利を放棄、さらに多額の借金を負わされるという、蒲田行進曲も真っ青の転落劇。最期は息子・春樹が起こした放火に巻き込まれ、この世を去る。

重傷を負っていた樫村(王)を救い、香港への逃亡を手助けしたのは、彼である。彼が樫村を助けていなければ、全被害者の半分くらいは死なずに済んだかもしれない。影の殺人鬼である(言いがかり)。

水木 圭子(演:かとうれいこ)

カネ執着度:50%
ヨネクラの受付嬢だが、秘書的な役回りもこなす。

基本的に社長(米倉)には駒扱いされており、戸川への接待や、林に近づいての情報入手を強いられるが、それらを従順にこなすあたりに、社長への信頼感が伺える。
あまり賢そうなタイプではないが、仕事はそつなくこなす。抜け目のない一面も。

最後まで米倉に協力するが、林をたらしこんだ女としてブルースコーポレーションに目をつけられ、射殺される。

西条 安代(演:江波杏子)

カネ執着度:30%
かつて愛した男を殺した罪で、刑務所に服役していた女囚人。

同室となった美幸の純朴さを疎ましく思い、子分ともども美幸をいびり倒すが、卓也に裏切られて吹っ切れた美幸に一目置くようになり、その後は認め合う仲に。

出所後は、息子がいる孤児院に足しげく通い、一部汚いカネを含めた寄付を重ねる。息子を引き取るか否かで思い悩む中、ブルースコーポレーションから命を狙われる美幸を匿い、世話を焼く。

彼女もまた、最後まで生き残った貴重な一人。蛇の道は蛇を地でいくキャラで、その気になれば、ブルース社に匹敵する反社会的組織を形成できそう。

 

というわけで、最後に本ドラマで犠牲になった被害者リストと、その死因をまとめておく。

  • 美幸を襲った暴漢・その1 (松島のりお、小百合がトリカブトで毒殺)
  • 田代裕二 (春樹の放火で焼死)
  • 田代牧子 (春樹の放火で焼死)
  • 田代春樹 (自分の放火で焼死)
  • 美幸を襲った暴漢・その2 (美幸に返り討ち)
  • 田代弥生 (小百合を狙った美幸の刺客によって射殺)
  • 林洋二 (牧村によって刺殺)
  • 水木圭子 (王の手下によって射殺)
  • 米倉俊樹 (王の手下によって射殺)
  • 王の部下 (牧村によって射殺)
  • 町田玲子 (王の手下によって絞殺)
  • 宮本小百合 (子宮がんで死亡)
  • 戸川啓介 (脳梗塞により再起不能に)
  • 沢村元春 (ブルース社の刺客によって射殺)
  • 沢村元春を殺した男 (王の手下によって始末)
  • 牧村通 (王の手下に刺され、のちに死亡)
  • 王の部下3人 (卓也によって射殺)
  • 王小龍 (卓也によって射殺)
  • 沢村卓也 (王の銃弾を浴び、のちに死亡)
  • 田代美幸 (早期胎盤剥離で命の危険に晒されながら出産、おそらく死亡?)

ドラマの最後、さんざん登場人物が死んでいった挙句、美幸が生んだ赤ん坊の映像が、あるメッセージとともに、画面がフェードアウトしていく。
Love Forever ……じゃねーっつーの!

posted by たいにー at 00:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | テレビ・DVD・映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2013年02月26日

最近、地デジ放送の特定チャンネルでノイズが酷いとお感じの方、チャンネルの再設定を

ここのところ、TOKYO MX(テレビ)の映りが悪い。

正確には、テレビチューナーで見る分には問題ないものの、ビデオで録画した際のTOKYO MXの映りに問題がある。極端にブロックノイズが乗り、とても視聴に耐えうるものではないのだ。間違ってもブロックの伊豆ではない(最初の変換候補がこれだった)。

そういえば最近、東京タワーから東京スカイツリーへの電波塔機能移転に伴い、放送周波数の変更が告知されていたよーな。で、調べてみると、今はまさに、旧来の放送出力を段階的に減力している最中らしい。

んで、最近のテレビのほとんどは、この放送周波数の変更を自動的にやってくれちゃうらしい。ユーザーが意識せずとも、周波数切替は滞りなく行われるということだ。

にも関わらず、ウチはそうなってない。
同じ家、同じ部屋なのに、テレビは問題ないのに、ビデオで見るとブロックノイズが乗……

ハッ。
ひょっとすると、テレビの地デジチューナーは賢いから自動的に変更してくれたけど、ビデオ側のチューナーはややおつむが足りなくて、変更せずにいるとか?

ためしに、ビデオ側のチャンネル設定を呼び出し、再スキャンによるチャンネル自動割り当てを実行してみる。

結果。
TOKYO MXは、問題なく映るようになった。

こうなった原因は、私のHDDビデオレコーダーに対する過剰な信頼にある。2007年に発売されたRD-W301は『最近のデジタル機器に入るに違いない』と過信したため、よもやビデオのチューナーがオタンコナスだったとは、夢にも思わなかったのだ。

ちなみに、同様のお達しは、TOKYO MXのWebサイトでも、しっかり告知されていた。

ともあれ、これでTOKYO MXもきちんと見られるようになって、めでたしめでたし。
……といいたいところだが。
永久保存版モードで録画し続けていた『水曜どうでしょうClassic』が、放送一回分、ノイズまみれになってしまった(ジャングルリベンジ)。

なんてこったい。

posted by たいにー at 00:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | テレビ・DVD・映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2013年02月17日

それは悲しくも幸せな物語、北海道文化放送開局40周年記念ドラマ『バッケンレコードを超えて』

かなり時間が経ってしまったが……。

1月27日、フジテレビ系列で『バッケンレコードを超えて』というドラマが放送された。
UHB(北海道文化放送)が同局の開局40周年を記念して製作された作品だ。

録画しておいて、しばらく見ずに放っておいたのを、前日、ようやく視聴に漕ぎ着けた。
泣けた。
久しくドラマで泣いたことはなかったが、とにかく泣けた。
実話に基づいたドラマという背景が、その感情を何倍にも高ぶらせた。

この記事は、その『感動のドキュメントを見た』という感動のドキュメントである。
意味は分からなくて、いい。

本作の主人公

金子祐介さん。
かつて、札幌市・大倉山ジャンプ場のバッケンレコード(145.0m)を保持していたスキージャンプの選手である。2008年に引退を表明し、現役を退いた。

学生の頃から国内の各大会で活躍し、2006年のトリノ冬季五輪への出場が嘱望されていた矢先、彼は海外合宿の練習中に、空中でスキー板が外れ、頭部から墜落するという事故に遭遇。一時意識不明となったり、帰国後も記憶喪失になるなど、重度の症状を抱えることに。

その苦難の状況を献身的に支えたのが、婚約者・みゆきさん。自分のことすら忘れてしまった祐介さんのリハビリに付き添い、彼の回復に尽力。その甲斐あってか、祐介さんは記憶を取り戻し、大会にも復帰。手を取り合って艱難辛苦を乗り越えた二人は、めでたくご結婚。

ドラマ『バッケンレコードを超えて』は、このお二人をモデルに描かれた。
いずれも実在の人物である。調べていただければ、金子選手の経歴や戦績も、容易に確認することができるはずだ。

過酷な運命に立ち向かい、それを乗り越えて幸せをつかんだ二人。
だが、彼らにさらなる試練が押し寄せようとは……。

これはドラマか、はたまたドキュメンタリーか

ここからはドラマのお話で。
とはいっても、ドラマの内容も、おおむね実話を踏襲している。

福士誠治さん演じる本田浩輔(モデル:金子祐介さん)。
比嘉愛未さん演じる神足はるか(モデル:みゆきさん)。

順風満帆の競技人生を送っていた環境から一転、選手生命に関わる事態に陥った浩輔。
奇跡的に記憶も戻り、希望を取り戻したかに見えた直後、今度は怪我による競技復帰への遠い道のりという現実に、絶望感を覚える。

浩輔に邪険にされながらも、自分にできることを懸命に続けるはるか。
やがてその支えは、スキーファンを巻き込んで、ジャンプ選手・本田浩輔を応援する大きな声となり、彼が再起を目指す原動力となる。

そして復帰戦。
かつてのように、鮮やかな飛び出し、滑空、そして着地。
もう二度と飛ぶことはできないのではと諦めかけた二人にとって、そのフライトは誰よりも待ち望んだ、そして誰よりも美しく見えたフライトだったに違いない。

やがて二人は結婚。
アクシデントを乗り越えた二人の結束は、なにものにも代え難い強さを持っていた。
だが、運命は残酷にも、そんな二人を再び引き裂こうとする。

はるかが結婚式の最中に倒れてしまう。
彼女の心臓に疾患が見つかったのだ。
(実際のひとみさんは子宮頸がんを発症)

それまで『支えていた』側から、『支えられる』側になったはるか。
人に尽くすことが苦にならない彼女にとって、自分が周囲の世話になる(世話にならざるを得ない)状況は、忍びがたいものがあったのではないか。

病状から、自分の人生が長いものではないことを悟ったはるか。
結局彼女は、結婚して間もない状況にもかかわらず、彼の元を離れ、実家での療養を決意する。ようやく競技に復帰できた浩輔の負担になりたくないという一念からだ。

成績が低迷する中、浩輔は引退を決意。最後のジャンプに臨む浩輔をその目に焼き付けるため、はるかは大会の会場へ向かう……。

幸せとは泣けるものなりて

泣けた。
とにかく泣けた。

運命とはかくも残酷なものかという思いが半分。もう半分は、その過酷な運命に対し、人はここまで強く優しくなれるものなんだという温かさ。

ドラマに出演した役者さんたちは、皆さん、いい表情をされていた。
ストーリーが感動を約束されたものだったにしても、それを損ねない、いやむしろそこに花を添えるような、いい演技だったと思う。

さらに心を打たれたのが、このドラマをご覧になったご家族・関係者各位の反応。
概ねどころか、こちらも涙なくしては語れない様子。赤の他人が見て泣けるのだ。当事者の心を、そして記憶を揺り動かさないわけがない。

事実は小説よりも奇なり。
このドラマの題材となった『事実』は、その場に直面した人にとっては、あまりにも非情で、それでもかけがえのない経験であり、時間だったに違いない。

人は何のために生きるのか。
そして自分は今、一生懸命に生きているだろうか。

生きていると、いろいろ考えることも、悩むことも、しんどいこともあるけれど。
とりあえず、今を大事に。
そう思わずにはいられない。

ドラマのモデルとなった、金子祐介さん・みゆきさんご夫妻にひとこと。
優しい時間を、ありがとう。
そして、その優しさを余すことなく伝えてくれた演者の福士誠治さん、比嘉愛未さんに対しても、ありがとう。

みゆきさんが若くして亡くなられたことは、あまりにも残念だけど。
足手まといになる不安、死への恐怖、耐え難い過酷な運命を悲観したかもしれないけれど。

それでも、みゆきさんは幸せではなかっただろうか。
幸せなんて、他者の尺度で測れるものではないのだが。
多くの人に支えられ、そして多くの人を支えた彼女の人生は、彼女の周りの人と、なによりも彼女自身の心を幸せにしてくれたのではないかと思う。

あー、これ書いてると、涙腺が緩んで困る。
北海道発のドラマで、なおかつ地味な時間帯に放送されたドラマゆえ、再放送がいつになるのか、あるいは別の視聴方法が創出されるのかどうかはわからないが。

機会があれば、ぜひ一度見るべしとだけ、書いておこう。
そして、泣け。

視聴者は泣かせてもらう(もらった)として。
どうか、ひとみさんが天国で笑顔に包まれますように。

posted by たいにー at 09:58 | Comment(2) | TrackBack(0) | テレビ・DVD・映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2013年02月08日

お正月・ビデオ三昧大感想大会(3)〜原作ファンなら涙もの?『劇場版・逆転裁判』

ニンテンドーDSで産声を上げ、その後、数々の続編、数々のスピンオフ作品を生み出し、『法廷アドベンチャー』という唯一無二のジャンルを確立、いまやカプコンを代表するシリーズの一つに成長した『逆転裁判』シリーズ。

かくいう私も、過去の作品はほぼすべて遊び、楽しませていただいている。

今回見た、この『劇場版・逆転裁判』は、まさにこのゲームを題材とした作品。
2011年に公開された本作は、かなり大胆な作品と申し上げたい。

至るところに、ゲームの『色』を感じ取れる。
コミックやゲームを題材に映画・ドラマの類を制作すると、とかく原作を無視したキャラ作りや演出がなされることが多い。そういう意味で、ここまで原作を強烈に意識した映画も珍しいのではないか。

通常なら原作のストーリーやモチーフをベースに、各キャラのイメージに近い役者を揃え、作品の本質を損ねない程度にアレンジを加えていくのが普通なのだが、ことこの作品に関しては、見た目からキャラ立てから、原作ファンにお叱りを受けることを恐れるかのような徹底ぶりが見て取れる。

ベースとなっているのは、『逆転裁判』第一作目の根幹を成すDL6号事件。真宵が容疑者となった綾里千尋殺害事件もとりあげているので、必然的に後半部では、真宵が千尋を霊媒するシーンが何度か登場する。

出演陣が成宮寛貴、桐谷美玲、斉藤工、檀れい、柄本明、石橋凌……などだったりと、コスプレ大会をさせるには、あまりにも豪華な布陣。主題歌がポルノグラフィティってのも、いや〜、金使ってますな。

見た目以上に贅沢な作り(?)をしている、この作品。
役者の名前におんぶだっこすることなく、作品の方向性を見失っていない点は評価できる。

ただ、キャラ作りをもっとゲーム寄りにしてもよかったのではないかという気も。
例えば成歩堂、御剣、狩魔の三人は、それぞれの独特のパフォーマンスがあり、これを映画でも再現してほしかったなあ、というのがファンとしての率直な感想。

個人的には、斉藤工が扮する御剣の、歯を食いしばった「ぐぬぬぬ……」が見たかった。柄本明演じるサイバンチョも、もっとはじけさせてもよかったはず。逆転裁判という作品は、弁護士と検事、そしてサイバンチョの三つ巴の戦いが基本スタイルだと(私は)思っているので。

見始めは50点くらいだったんだけど、最後まで貫いたゲーム作品への愛(?)に免じて、70点を進呈。
その気になれば、続編を作ることにも支障はなさそうだが……無理かな。

私としては、御剣検事の
「な、なんだ、ここは!いじめられっ子の席か‥‥?」
をぜひとも聞いてみたいのだが。

posted by たいにー at 00:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | テレビ・DVD・映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2013年02月02日

お正月・ビデオ三昧大感想大会(2)〜北海道民以外の見え方が気になる『探偵はBARにいる』

『探偵はBARにいる』。
2011年劇場公開、北海道の星・大泉洋が映画初主演を果たした作品だ。

この作品、すでに続編製作が決定しており、公式サイトはすでに続編色に染まっているが……
ま、一応ご紹介。

悪い作品、悪いストーリーではない。
ないとは思うのだが……。

小説『探偵はバーにいる』(映画原作はこの作品ではなく、シリーズ2作目『バーにかかってきた電話』)を事前に読んでいたこともあって、主人公のキャラが、小説と映画でかなり違うことに違和感を覚えた。大泉洋はタレントとしても俳優としても個人的に大好きなのだが、北海道ありきで作られたこの作品の主人公とは、ちと違うよーな……というのが私の印象だ。

洋ちゃんのキャラを立てる意味もあるのか、ハードボイルドとコミカルを行ったりきたりの、どっちつかずな展開になっているのも気になった。間が重要なハードボイルドと、テンポが大事なコミカル、この二つの要素を共存させるのは、かなり難しいと思うので。

北海道ロケが多かったこともあって、道内(特に札幌)の名所がいろいろ登場するが、基本的に扱っているネタが暴力団絡みで、なおかつかなり血なまぐさい演出も入るため、これを見た人が「北海道は恐ろしいところだ」と思いやしないかが心配である。

個人的には、あまりオススメできる作品ではないのだが、第24回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞を受賞していたり、やけに役者が豪華だったり、続編の制作・公開も決定したりと、一般的な(特に北海道内の)評価は高めのようで。下手に原作を読まない方が楽しめるのかもしれないな、と思ったり。

とにかく北海道色を全面に出している地元感は伝わってくるのだが。
惜しい。
60点。

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2013年01月31日

お正月・ビデオ三昧大感想大会(1)〜タイトル自体が無理な話『外事警察・その男に騙されるな』

完全に時機を逸してしまったが……
今年のお正月、『4本で1,000円』という某レンタルビデオショップののぼりにのせられて、いろいろビデオを借りて見た。

その感想記事を書いていたのだが、掲載のタイミングを見誤ってしまい、気が付けば1月ももう終わり。
このまま『なかったこと』にするのは、あまりにも忍びない。私的に。

……とまあ、読者おいてけぼりの展開ではあるが。
ここはそのお正月ビデオ鑑賞シリーズを、いくつかご紹介。

というわけで、最初に登場するのは、『外字警察・その男に騙されるな』。

NHKの土曜ドラマで『外事警察』という作品が放送されたのが、2009年。
その3年後となる2012年。
『外事警察』は映画となった。

NHK土曜ドラマ枠の映画化といえば『ハゲタカ』が記憶に新しい。『外事警察』の製作スタッフにも、ハゲタカのメンバーが顔をそろえている。

とはいえ視聴率10%に満たなかった『ハゲタカ』。それ以上に視聴率が振るわなかった『外事警察』を映画化する意味は、果たしてあるのか。そもそもテロ活動を未然に防ぐための諜報・隠密活動という非常に暗いテーマにあって、この作品を好む人がどれだけいるものか。

大義のためなら、一般人をも平気で騙す警察。
大義のために、組織を駒のように扱う政府。
実にどす黒いドラマである。

私は、こーゆー作品が大好きだ。

ライアーゲームのような騙しあいとは異なり、こちらの騙しあいは人間臭さや薄汚れた欲望が露骨に出る。これを面白いと思うかどうかで、この作品の評価は分かれるだろう。

ちなみに本映画のストーリーは、朝鮮半島のかの国(明言はされていないが暗に北朝鮮を指している)で密かに進められている核爆弾の製造を食い止めるため、日本、そして韓国の公安組織が水面下で暗躍。調査を進める中、カギを握る在日二世の技術者が、日本国内の保護施設から脱出してしまう……といったもの。

登場する人物のほとんどが目指す大義は『自国の国益のため』。そのためならば、各人が手段を選ばない、そのしのぎの削り合いがまたしびれる。身分詐称、目的隠蔽、虚偽通達などの連発で、映画の副題『その男に騙されるな』は、事実上「無理」と言わざるを得ない展開となっている。私なんかは、二度見ても、また素直に騙されそうだから困ったものだ。

その際たる箇所が、ラストシーン。暗いドラマの割には、比較的スッキリと(余計な複線を残さずに)終わるのだが、最後の最後で残していた伏線を回収。『そこまで騙していたのか』と見るものを感服させて終わるあたりが、なかなかに憎いではないか。

キャスティングとしては、渡部篤郎をはじめとする外事警察チームが(個々の立場は若干違えど)ドラマ版から引き続き登場。真木よう子が外事の『協力者』の位置に立ち、核爆弾製造犯に立ち向かう。

相変わらず(といっては失礼だが)、こういうきな臭い役を演らせると、渡部篤郎は映える。主役なのに胡散臭いという役どころが、実に彼らしいではないか(一応褒めてます)。

当然ながらストーリーはフィクションだが、現実を反映した要素がそこかしこに散りばめられているおかげで、異常にリアリティがある。ホントにありそうな展開なのだ。

個人的には、NHKのドラマよりも完成度が高く、映画だけ見ても十分に楽しめると感じた作品。
正月に見る映画ではないかもしれないが、結構オススメ。

ちなみに、私はしっかり『騙され』ました。
90点。

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2013年01月22日

警察とヤクザのスパイ潜入ドラマ『ダブルフェイス』、名場面を彩った名優たち

記事にとりあげるタイミングを完全に逸してしまった感もあるが。
年末年始に放送されたTBSとWOWOWの共同制作ドラマ「ダブルフェイス」について。

いや、もう、すごいっつーかなんつーか。
久々に壮絶なドラマを見たな(見せてくれたな)という気分だ。

元々は新聞テレビ欄の一角にあった番組広告が、ドラマを知ったきっかけ。

広告の画は、西島秀俊の半身に対して『ヤクザの幹部、実は潜入捜査官』。
香川照之の半身に対して『エリート警察官、実はヤクザの潜入員』。

この二つのキャッチコピーがイヤでも目に留まった。
これはぜひ見てみたいと思ったのだが、見ればWOWOW(有料放送)というじゃあ〜りませんか(潜入操作編はTBSでも放送されたようだが)。

「残念だよ……」と呟いたかどうかは忘却の彼方だが、そのときの私は、すっぱり諦めた。

それから数ヵ月後。
何気なく年末年始のテレビ欄を見ていたら、潜入操作編、偽装警察編、ともに地上波で放送するっつーじゃないのさ。こりゃ見ないとだわ。

で、見た。
いや、もうすごいっつーかなんつーか(ふりだしに戻る)。

ハッキリ言って、ツッコミどころは多い。実に多い。とても多い。
だが、そんなことを考えていると置いていくぞコノヤロウとばかり、ジェットコースターばりの速さで目まぐるしく展開していくストーリーが、ツッコミを入れる隙を与えてくれない。

ドラマ作品としては、非常に面白かった。
本作は香港映画『インファナル・アフェア』のリメイクだそうで、思わず原作も見てみたくなるほどだ。いずれ、レンタルDVDを借りてみてみたい。

そんな壮絶ドラマを盛り上げてくれた俳優陣。
ここでは主な登場人物について、キャラ(役者さん)別に思うところを並べてみたい。
なお、たぶんにネタばれの要素を含むので、ドラマを未見の方で楽しみをとっておきたいという方は、ここでさようなら。

名前よりも演技が光った名優たち

森屋純(西島秀俊)

かつてこれほどまでに報われない主人公がいただろうか?
警察官という身分でありながら、ヤクザの構成員として潜入。組長の右腕と呼ばれるまでにのし上がるも、約10年にも渡るヤクザ生活に嫌気が差し、警察官への復帰を願い始める。

死ぬだろうなあという気はしていたが、あんな死に方をするとは予想外。
結局、警察官としての記録も抹消され、組長殺害の容疑者に仕立て上げられ、ヤクザの幹部として死んでいく。『警察官に戻る』という当然の権利を求めて、しかもそれが叶わないままこの世を去った純の無念や、いかばかりか。

純が刑事であることは小野寺警視正以外知らないという設定だが、昔の同僚はいないのかとか、入庁時の同期はいないのかとか、何かしら身分を証明する書類が残っていないのかとか、考えちゃうことはいくらでも。

風体は一昔前の吉田栄作のよう。
仕草やアクションがいちいちカッコいい。それだけに、死に際の言葉すら残せない最期が、あまりにも衝撃的であった。

高山亮介(香川照之)

純とさまざまな面で対照的な立ち居地にいる、もう一人の主人公。
こちらも(生き残りはしたものの)救われない。考えようによってはこちらの方が残酷かも。

成績優秀なエリート警官が、実はヤクザから送り込まれた犬という、森屋純とまったく逆の設定。身バレしたら即、人生が潰えるであろう純とは違い、署内でバレてもすぐに命を奪われることはないだろうことから、役どころとしての緊張感は、純に譲る。

若い頃から素行は悪かったものの、根っからのヤクザではなかったためか、結果的に更生への道を歩むことへ。ただし、本人がそう望んでも、周り(環境)がそれを許してくれないところに、彼の救われなさ加減が見て取れる。

役者としての香川照之は好きなのだが、蒼井優がひょこひょこついていくには、いささかおじさん過ぎる気も。出世街道まっしぐらのエリートともなれば、滲み出る人間的魅力が女性を惹きつける……ということなのかもしれないが。

西田奈緒子(和久井映見)と末永万里(蒼井優)

かたや純の行きつけ(ごひいき)精神科医(奈緒子)。
かたや高山が接触を命じられた厚生労働大臣の娘(万里)。

警察とヤクザという正義と悪の表裏一体をスリリングに描こうとするあまり、女性キャラの描写がそっちのけになってしまった感あり。もっとも、このストーリーに中途半端な恋愛を絡ませると、わけの分からない展開になる可能性があるため、この割り切りはアリだと、個人的には感じている。

万理は、代議士の娘という立場を利用する高山に接近されるわけだが、もう少し背後の政界が間接的にでも物語に絡むと面白かったのだが。万理の知らないところで、政界が警察とヤクザ、どちらに与するのか……とかね。もちろんそこは、正義よりも利権が優先されるというお約束の展開でひとつ。

ショートカット姿の蒼井優は、個人的にあまり好きではない(という意見多いみたいですね)のだが、このドラマに出てきたバーテンの制服姿には、なぜかよく似合っていた気がした。男性的なシックな服装には合うのかもしれない。

織田大成(小日向文世)

劇中に登場するヤクザ・織田組の組長。
織田信長の血筋とされる織田信成とは関係がない(と思う)。

小日向さんのニコ目な表情もあってか、見た目からしてヤクザのボスというには威厳不足な気がするが、案外、悪の棟梁ってこんな感じなのかもしれない(実際、小日向さんは北野武監督の悪党ばっかり映画『アウトレイジ・ビヨンド』で悪徳刑事役を担当)。普段がニコ目だからこそ、強張ったときの表情に凄みが出る。これぞ役者の真髄か。

自分の駆ってる犬(高山)と潜り込んできた犬(純)、二人の潜入と関わりを持ちながら組織の拡大を図るが、あえない最期を遂げる。人心掌握術や交渉力には長けていると思われるが、大物なのか小物なのか、判断に迷う人物像だ。

小野寺警視正(角野卓造)

こちらは警察側の対織田組撲滅チームにおける、実質的リーダー。
織田組に純を忍び込ませた張本人(たぶん)にして、純が警察官であることを知る唯一の人物。

原則的に潜入(=純)のことは口外しないというスタンスを貫いたものの、全幅の信頼を置く高山(=ヤクザの犬)だけには、なぜか断片的にその存在や行動を漏らしていた。この頼りなさ加減が、ハラハラ感を増し、ストーリーのバランスを形成している。実は警視正が高山の素性を疑っていて、部分的な情報を意図して漏らすことで、高山の動向を窺う……なんて展開も面白かったかも。

まあ、緊張感のあるキャラ立てが、角野卓造にマッチするかどうかはなんとも言えないが。

彼もまた不遇の人ではあるが、純に対する責任感からか、最期まで彼の正体を口外しない芯の強さを見せた。
見た目より男気のある人。

そのほか、気になる脇役陣

ヒロシ(伊藤淳史)

前編・潜入捜査編のみ登場した、純の弟分。いわゆる舎弟。
コワモテ揃いの織田組にあって、服装やポーズをそれっぽく見せるのが精一杯のチンピラ風情。ただ、カップルに扮した張り込みの刑事を見破ったり、組長の尋問(暴行)にあっても兄貴分である純の隠密行動について口を割らないなど、そこかしこに見せ場あり。

純の命を救ったり、(ヒロシの自覚なしに)結果的に潜入捜査に協力するなど、純の片腕として大活躍。純が命を落とす際、彼のことを思い出して欲しかったところなのだが、『あの』状況ではそんなヒマもないか……。

織田麗子(伊藤かずえ)

組長・織田大成の妻。
極道の女というよりは、お水系のママといった風貌。

伊藤かずえを見るのは久しぶりだったのだが、妙に恰幅というか貫禄があってビックリした。

特に見せ場らしい見せ場はなく、最終的に彼女がどうなったか語られるシーンはないのだが、伊藤かずえはドラマ『もう誰も愛さない』で演じていた凄まじい悪人っぷり(弁護士)の印象が強く、この程度の悪はお手の物という感じも。

これ以上の救われないドラマがあるとすれば

このドラマ、作り方次第では、同じ設定で別作品を作ることも十分できそう。

すなわち、警察とヤクザ、それぞれのスパイがお互いの組織に潜入するというところは一緒で、その後のストーリーをオリジナルにするのだ。登場人物のうちの何人かは間違いなく不幸な結末となるだろうが、下手なサスペンスドラマよりも緊迫感が出るのもまた、確かだと思う。

そのときには、『ダブルフェイス』以上の救われない主人公が誕生するのだろうか。それはそれで、見終わったときの虚無感も尋常ならざるものとなりそうだが。

私なんかは、この作品(録画)を見た直後に2013年の大河ドラマ『八重の桜』第一回を見てしまったものだから、さあ大変。

「兄(あん)つぁま、いや純、もう潜入はええだか?」

と言ったとか言わなかったとか。
(主人公・山本八重(綾瀬はるか)の兄、山本覚馬役を西島秀俊が演じている)

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2012年12月25日

テレ東特番『池上彰の総選挙ライブ』を池上氏自身が回顧、「いい質問」の必要性を説く

2013年の参議院選挙特番の話題は下記リンクから。こちらもキレてますぞ。



衆議院総選挙が終わって、早いもので一週間が経過。
当日は各局とも特番を組み、どこよりも早い選挙速報を、と血眼になって当確発表合戦を繰り広げた。

そんな中、即時性は二の次で、完全なる独自路線を歩んだのが、テレビ東京。
『池上彰の総選挙ライブ』は一部視聴者の話題を独占。
そのカミソリのごとく切れ味鋭い質問や、アンタッチャブルとも思える政界のタブーなどに、容赦なく切り込んでいく痛快さが受け、番組終了後もネットを中心に話題となった。

そして、その盛り上がり具合について。
当の池上彰氏本人が、コメントを発表した。
ニューズウィーク日本語版より。

番組そのものは、私も(他局とハシゴしながら)見ていたが、やはり驚いた。
他局が政治評論家などをゲストに招いていたのに対し、この番組のゲストはタレントのみ。刻一刻と戦況が明らかになっていく開票速報の中で、この『たるみ感』が気になって、テレ東にチャンネルを固定することができなかったのだが、結果的にはこの『政治素人集団』で脇を固めたからこそ、池上氏の(いい意味での)独壇場を作り上げられたのかもしれない。

その独壇場は、以下のような質問で彩られた。

  • 「自民党が勝ったのではなく民主党が負けたと言われているがどうか?」
    (大勝ムードの自民・石破幹事長に対して)
  • 「パプアニューギニアと北朝鮮を一緒にするから、石原慎太郎は暴走老人って言われるんですよ」
    (日本維新の会・石原慎太郎代表に対して)
  • 「選挙区、昔東京でしたよね? 福岡に移ったのは、ブリヂストンの工場があるからですよね?」
    (無所属で当選したブリヂストン大株主・鳩山邦夫氏に対して)
  • 「今回は自民も民主も対立候補を立てなかったから当選できたと思いませんか?」
    (復活当選を果たした公明党前代表・太田昭宏氏に対して)

すごい、すごいぞ、アッキーラ。
怒り、慌て、論点すり替えなど、政治家先生方がさまざまな反応を見せる中、恐れ入るほどにウィットに富んだ反応を示したのが、小泉進次郎氏。

「地方の演説でそれぞれの方言で挨拶しましたよね、あれ、あざとくないですか?」
「それが聞いてくださいよ池上さん、通用するところとしないところがあるんです。大阪は駄目でしたね」

皮肉をかわすどころか、自虐的に笑いを誘う瞬発力。
天は彼に二物どころか、何物与えたら気が済むのか。

記事の文中で池上氏も触れているように、政治家はマスコミからの質問に対してまともに答えないという人・ケースが非常に多く見受けられる。もちろん、バカ正直に答えてはいけない場面があるのも確かだが、この政界における『いい加減な質疑応答』がまかり通っている原因は、今の報道機関にもあるように思う。

なれあいの質問、返事が容易に予想できる質問ばかりを投げかけていては、政治家は緊張することがありません。自分を高めていこうという意欲をかき立てることもありません。

日本の政治家は、自分にとって都合の悪い質問を投げかけるメディアに対し、意図的に無視する、あるいは邪険に接することがある。報道機関にとっては、答える政治家が有力者であればあるほど、答えてもらえないことには記事が、放送がまとまらないから、結果的に相手に気を遣った質問しかできなくなる。

質問の『質』が高いかどうか。
それに対する回答が的を射ているかどうか。
判断するのは視聴者であり、読者であり、有権者だ。

核心を突いた質問に答えられない政治家は、その力量が問われるだろうし、逆に悠然と受け答えできる人は、対応力や交渉力、人を納得させるための政治の力を評価されることになる。言い方は悪いが、コメントが真実であるかどうかは二の次。聞く者を納得させられるかどうかが重要で、それこそが政治家に求められる能力の一つであるように思う。

テレビ東京だからこそできたと言われる、今回の『池上彰の総選挙ライブ』。
今後の選挙開票特番において、そしてジャーナリズムにおいて。
一石を投じる番組だったと思うし、ぜひそうなってほしいと願うばかりだ。

多分ないとは思うが、もしもこの番組がDVDで発売されたならば。
そのときのセールスコピーは、ぜひかくあってほしい。

「日本よ、これがジャーナリズムだ」

posted by たいにー at 23:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | テレビ・DVD・映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2012年09月02日

第32回全国高等学校クイズ選手権、高校生クイズ史上初の三連覇を達成した開成高校

今年も、夏が終わる。
まだ暑いけど。

夏の終わりと言えば、毎年恒例、全国高等学校クイズ選手権。
過去数年に渡り、弊ブログでは、学力偏重になった高校生クイズを、これでもかと叩いてきた。
その叩きっぷりについては、過去記事をご覧いただくとして。

『こんなのは高校生クイズじゃないやいッ』的な感想は、もう散々書いてきたので、今年はそのあたりについてはスルー。

ただ、あらためて気になったこともいくつかあるので、そのあたりを少し掘り下げてみたい。

開成高校が三連覇を達成したのは、本当に『クイズ』なのか?

実は今回、番組をほとんど見ていない。
仕事が遅くなり、帰ってきてテレビをつけたときには、すでに準決勝が始まっていたのだ。
(ビデオ録画を忘れておりまして……)

というわけで、以下、準決勝・決勝しか見ていない立場での感想であることをご了承いただきたい。

今大会の結果は、東京・開成高校の優勝。
第29回大会以降の三連覇を達成した。これは高校生クイズ史上、初の快挙だ。
これは素直にすごいことである。

高校生クイズは、32回の歴史を誇るクイズ番組である。
クイズ番組であるからには、さまざまなジャンルの知識を必要とされるはずだ。

だが、出てくる問題は、およそ学力系問題ばかり。
教科書や百科事典に載っているような問題ばかりなのだ。

例えば直近の時事問題や、あるいは芸能問題など、タイムリーな話題に追従した問題が、ほとんど見受けられない。準決勝の一問多答問題などであれば、

「AKB48のメンバーを知っているだけ、すべて漢字・フルネームで書け」とか、
「日本から就航しているLCC航空路線を、発着航空名を含めてすべて書け」とかね。

『昔の高校生クイズではない』のは、いまや仕方のないこととしても、『そもそもクイズ番組ではない』ようになりつつある現状には、やはり懸念を抱かざるを得ない。クイズが得意ということと、勉強が得意ということは、必ずしもイコールではないはずだ。

ただの公開学力試験であるとするならば、開成高校の三連覇は、半ば当然の結果と言える。
30年連続東大神学者数日本一。
偉業であることは間違いない三連覇という実績は、その肩書をして「やっぱり凄いね」と世間に言わしめる結果なのだ。

相変わらずの難問はともかく

問題は、相変わらず難問が多い。
ほかのクイズ番組と比べても、その難易度は極めて高いと思われる。

問題が難しいのは、別によいと思う。
簡単すぎたところで、それは見ている側も(最初は楽しくても)、そのうちつまらなくなってくるはず。

で、その難問なのだが。
せめて出題、回答が終わった後、その答えについての簡単な解説があってしかるべきではないか。

『○○の数値を以下の条件で求めなさい』という問題があったとして、高校生が模範的な解答を導き出したところで、その過程がさっぱりわからないから、『すごい』とは思えても『なるほど』とは思えないのだ。

所詮、視聴者には、高校生たちの頭脳に感心することしか、要求されていないのか。
そして、出場している高校生たちは、そのための道具に過ぎないのか。

最強頭脳No.1決定戦としての地位をほぼ確立

ともあれ、今の頭脳派路線が定着してからというもの。
視聴率も安定し、未来の若者に日本を託す安心感を創出するための番組という地位は、ほぼ確立できた。

番組内で、何度も多用された『知のアスリート』という言葉。
ちょうどロンドン五輪が終わった直後というタイミングや、ゲストにメダリストを迎えている関係もあって、アスリートという言葉が非常にタイムリーに感じられた。頭でっかちの勉強虫という印象を与えないためにも、こういった印象付けは、番組としては必要なところだろう。

その意味で、準決勝以降は、番組の理想通りの展開になったと思う。

東西最強私立の激突、そして決勝は公立私立の頂上決戦。
かたや名門私立の頂点に君臨する、東大進学者数No.1、開成高校(東京)。
かたや公立の星、野田首相の母校である船橋高校(千葉)。
結果として、日本一になるべき高校が、しっかり日本一になったのはよかったのかもしれない、

来年以降、果たして開成の連覇を阻む学校は現れるのか。
私は、今の番組のシステムや路線が変わらない限り、当分は無理ではないかと思っている。

相変わらず、ネガティブなコメントばかりになってしまったが、どうぞお許しいただきたい。
重ね重ね言い訳するが、実際に出場し、健闘した高校生たちの活躍を否定するものでは、まったくない。
特に、優勝した開成チームは、プレッシャーをものともせず、その偉業を達成したことに、素直に拍手を贈りたい。

番組中、フィリピン沖で地震が発生し、その影響で画面の横に、日本列島の津波予想地図が、常に居座る展開となってしまったが、開成高校の強さの前には、そんなことは取るに足らないことなのかもしれない。

posted by たいにー at 13:18 | Comment(4) | TrackBack(0) | テレビ・DVD・映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2012年07月02日

TBSスペシャルドラマ『20年後の君へ』は、ドコモが贈る感動のスポンサー宣伝ドラマ?

日曜日(7月1日) TBSのスペシャルドラマ『20年後の君へ』を観た。
このドラマは、NTTドコモ創立20周年を記念して制作された作品。さまざまな分野で新しい事業や取り組みに挑戦する人々を描く、TBS系列のドキュメンタリー番組『夢の扉+』のスペシャル版にあたる。

基本的に夢、希望、挫折、そして家族の絆を描いた、比較的ベタなストーリーなのだが、『実際にあったこと』という認識が、その感動に拍車をかける。別々のエピソードを、無理やりひとつの話にしているため、元ネタを知っている人にとっては、違和感が相当に大きかったようだが。

全体としては、まあまあいいドラマだった。
ドコモ色の強烈さ以外は。

著名俳優陣に混ざったドコモ端末群

このドラマ、NTTドコモ単独スポンサーということもあって、随所にドコモ端末が登場する。
それも『露骨に』登場するのだ。

タクシーでの移動中、部長の部下は予定の記録にGalaxy Noteの手書きメモを起動し、
飲食店のシーン冒頭では、端末を使ったおサイフケータイでの支払いシーンを挟み、
バングラデシュでも普通に通話、ネットワークのグローバルぶりを発揮。

長野へ車で移動する際には、端末をカーナビとして社内に設置し、
外国人とのやり取りでは、端末を介したリアルタイム翻訳が活躍、
村のじーさんたちへの説明には、大画面のタブレット端末を使う。

とにかく、無意味にドコモ端末が映像に移るシーンが多すぎる。
ドコモがスポンサーだと知らなければ、不自然だと思ってしまうほどに。
まるでドラマという形を借りた、ドコモの2時間巨編CMのようだ。
本作の脚本や演出に、ドコモの人間がどの程度絡んでいたのか、実に興味深いところだ。

ドコモ単独スポンサーとしての『見せ場』

逆に、単独スポンサーとして面白い要素も。
間に入るCMは、当然すべてNTTドコモなのだが、放送されたのは、創立から今までに放送された同社のCM(の一部)。古くは自動車電話、ポケベル、ムーバ、そしてFOMAと、移動通信事業の進化をそのままCMで追うような流れは、それ単体で番組にできそうな、技術の変遷のようなものを感じさせてくれた。

CMを見ながら、

「あ、これ憶えてる」
「これは見たことない」
「(ポケベルのCMを観ながら)この頃の広末涼子の可愛さは圧巻だね」
「ポケットボード懐かし〜、私、使ってた」
「織田裕二がこのあと、IDO(cdmaOne)のCMに出ちゃうんだよねぇ」

などなど。ドコモ談義に花が咲く。

そんなこんなで、『一社提供』の明と暗を同時に感じさせてくれる、そんな番組ではなかったか。
ま、auユーザーの私がとやかく言う話ではないのかもしれないケド。

posted by たいにー at 23:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | テレビ・DVD・映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2012年07月01日

各局クイズ番組王者の中の頂点を決定する、『THEクイズ神』を見て (後編)

前編からの続き。
例によって、だらだらである。

歴戦の挑戦者たち

20名の挑戦者は、容赦ない戦いでふるいにかけられていくわけだが……
まず驚いたのが、2ndステージ進出8名の顔ぶれ。

8名中3名が、この番組の予選大会を勝ち抜いて出場した予選組。
と同時に、フジテレビ、テレビ朝日の番組王者が全員敗退という展開に。
個人的には(本人も望んでいたように)、永田喜彰氏に、準決勝で長戸氏とぶつかってもらい、23年前のリベンジを果たしてほしかったところだが(永田氏は、長戸氏の盟友でもあり、彼に第13回アメリカ横断ウルトラクイズ決勝で敗れた)。

その長戸勇人氏は、今回の出場者の中における最大の注目株。
『伝説のクイズ王』という二つ名で呼ばれ、第13回アメリカ横断ウルトラクイズ優勝以来、23年ぶりのクイズ大会出場となった。昨年(WQC)で裏方として戦いを見ていた彼も、その緊迫感に往年のクイズ魂が揺さぶられたか。

彼が活躍したり、勝ち抜けたりした際には、その注目度に見合った紹介をされたが、必要以上に彼だけがクローズアップされるということはなかった。すべての回答者に対してほぼ均等にスポットが当たっていた点については、好感を抱いたものである。

出場者の中では最年少、高校生クイズ二連覇の実績をひっさげての出場となった開成高・伊沢拓司氏がこのメンバーの中でどれだけ戦えるのか、という点も注目どころだった。結果は惜しくも準決勝(3rdステージ)で敗退。本人は無念だったかもしれないが、年長者、しかもこれだけの実力者の中で、ベスト4は立派というほかない。

結果、決勝に進んだのは、

  • 為季正幸(NHKホールドオン!初代チャンピオン)
  • 渡辺匠(東日本予選勝ち抜け)

結果は、予選組にして無冠の帝王・渡辺匠氏(慶応大学出身)が優勝。
放送では「この番組のコンセプトをぶっ壊してしまった男」と紹介されていたが、クイズ番組の優勝経験こそないものの、ローカルで行われている各地の草クイズ大会で優勝しまくっている、まさに『無冠の帝王』の名にふさわしい人が、初の栄冠を勝ち取るに至った。

と同時に、NHK『連続クイズ ホールドオン!』王者が、二人とも2ndステージに進んだ事実も見逃せない。
この番組、私は深夜に(再放送を)流し見的に見る程度なのだが、そうか、そんなに格調高い(?)番組だったとは。

次回から、この番組を見る目が、少し変わりそうである。

出演芸能人の立ち位置

司会は前回WQCに引き続き、唐沢寿明が担当。
肩書は『主宰』となったものの、その司会ぶりは、なかなか堂に入った感ありと見た。
今回、出題する機会はなかったが、タイミングを見計らって挑戦者にコメントを求めたり、自分の意見を述べたりと、司会者としての立ち回りは、及第点と言っていいものだったと思う。

かたや、芸能人席を含めた全体の進行管理は、若林正恭(オードリー)が担当。
こちらは可もなく不可もなく。基本的に自分がでしゃばることなく、ゲスト芸能人や出場者にコメントを求めていた姿勢を見る限り、人選としては適当だったように思う。

ちなみに、実況をつとめたのは、スポーツ系番組を数多く担当するフリー・矢野武アナ。
TBSの土井敏之アナを髣髴とさせる喋りは、放送局を意識したものか。

一方、出場者枠にも芸能人が三名。
宇治原史規、三浦奈保子、やくみつるが歴戦の強者たちに戦いを挑んだが、善戦こそしたものの、惜しくも1stステージを突破することはできなかった。

普通であれば、この三人に敗退後のコメントを求め、勝ち進んだ挑戦者たちの実力がいかに秀でたものかを、ことさらに強調するところだが、この番組はそうはしなかった。それどころか、宇治原氏が途中で、

「僕らは負けてから若林が一秒も絡んでくれなくなった」

とこぼす通り、常に『今、戦っている挑戦者』をクローズアップし続けていた点は、視聴者の観戦テンションを維持するうえで、非常に意味があったと思う。

ゲストが途中で番組宣伝を挟むのは、まあ、民放番組の性(さが)というか、ご愛嬌というか。

あるようなないような(?)賞金システム

この大会には(一応)賞金がある。
一問正解につき1万円。最高金額470万円。
副賞として自動車(トヨタ・カローラフィールダー)が贈られる。

最終的に、優勝者が手にした賞金は277万円だった。
全員の獲得賞金を最終勝者が総取りするというシステムによって、弾き出された金額である。

『クイズ神』を賭けて戦う大会の金額としては、いささか寂しい気もするが、基本的にこの手の大会は、賞金目当てで参加しているという人はほとんどいないと思うので、賞金の豪華さは、大会趣旨にはあまり意味を成さないだろう。

あとは、クイズ『神』なので、最後に神に最も近い知識の持ち主としての戴冠式が。
これも完全にオマケ状態。
あった方がいいのか、なくてもよかったのかは、のちの歴史が判断することだろう。

クイズ神は再び降臨するのか

というわけで、番組コンセプトに反し、クイズ番組優勝経験者『以外』の挑戦者が優勝した、THEクイズ神。
結論は『過去の栄光』よりも『今の実力』が勝ったということになるのだろうか。
高校生クイズの知識力偏重も進む中、名だたる実力者たちが『過去の人』になるのも、そう遠い日のことではないのかもしれない。

さてさて、最後の唐沢主宰のコメントを聞く限り、THEクイズ神は(うまくいけば)次の開催もありそうな雰囲気。
このままWQCはなかったことになり、『クイズ神』の称号争いが毎年繰り広げられることになる……のかどうかは分からないが、現代のクイズ番組が下火で、いつまでも過去のクイズ番組の栄光にすがる必要がある今の番組スタイルを考えたとき、長寿番組として続けていくには、何らかの工夫が必要になりそうだ。

とりあえず、次回はきっと、富山・北日本放送『ビバクイズ』や、愛知・中部日本放送『天才クイズ』といった、ローカルクイズ番組の歴代王者からも、出場者が出てくるはずだ。

……って、さすがにそれはないか。

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各局クイズ番組王者の中の頂点を決定する、『THEクイズ神』を見て (前編)

これまでテレビ各局でさまざまに開催されてきたクイズ番組。
クイズブームなるものも生み出し、多くのチャンピオン、多くのクイズ王、そしてクイズタレントなるものまで排出するに至った。

時代は流れ、一般視聴者参加型クイズ番組の数は、激減。
それまでクイズ大会荒らしと恐れられた挑戦者たちも、活躍の場を失い、芸能人によるバラエティ色の強いクイズ番組が台頭。クイズは冬の時代へと突入していく。

そして近年。
高校生クイズのハイレベルぶりに引っぱられるように、再び一般型クイズが脚光を浴び始める。
それまで、各地の草クイズ大会で能力を温めてきた猛者たちも静かに胎動を始め、昨秋、TBSで開催された『ワールド・クイズ・クラシック』では、新参・古参入り乱れての正統派クイズバトルが展開された。

明けて2012年。
番組名こそ変わったものの、同じTBSで、新旧クイズ番組の王者たちが一同に会し、覇権を争った。

その名を『THEクイズ神』。

キャッチコピーは『超人気クイズ番組王者最強No.1決定戦』。
過去の栄光を引っさげたそれぞれの『王者』たち、その中で最も強いヤツは誰か?
戦いの幕は切って落とされた。

クイズシステム

今回、全4ステージとなった、それぞれのクイズ形式は以下の通り。

1st Stage: 書き問題 (20人→8人)
出題と同時に、20人全員が制限時間内に回答を書く。答えは名前だったり記号だったりとさまざま。記述内容には正確さが要求され、一字一句間違ってはならない(漢字をひらがなで書くのはOK)。
2nd Stage: タイマン対決 (8人→4人)
写真や映像を元に回答する(ボードに書く)ビジュアル問題。一対一で5問対決を行い、正解数の多い方が勝者(同点の場合はどちらかが不正解となるまでサドンデス)。対戦カードは、1stステージ上位者が相手を自由に指名することができる。
3nd Stage: 一問多答 (4人→2人)
一つの問題で答えが複数ある一問多答形式の問題を一人ずつに出題。問題は解答者がそれぞれアルファベットのついた問題封筒を任意に選ぶ。答えの数は問題によりさまざまで、制限時間は1分。答えが3つでも7つでも、すべて答えて初めて1ポイントとなる(1つでも答えが漏れれば不正解)。不正解の場合は、早押しで他の挑戦者に解答権が移り、これを正解すれば0.5ポイント、不正解なら-0.5ポイントとなる。これを三巡し、獲得点数上位2名が決勝進出。
Final Stage: 10問早押し (2人→1人)
一対一の早押しクイズ。
1問正解につき1ポイント。10ポイント先取で優勝。
お手付き・誤答の場合は相手に解答権が移る。

今回、斬新だったのは、準決勝の一問多答形式。
4人の戦いというよりは、与えられた一分間の中で自らの記憶を呼び起こす、自分との闘いという絵がなかなか面白かった。ただし、誤答の際に解答権がオープンになる(ウルトラクイズで言うところのダブルチャンス)のは、解答権の奪い合い(早押しボタンの叩きあい)になりそうなものだが、そうならなかったのはなぜだろう……。

肩書と肩書のぶつかり合い

今回の『THEクイズ神』で興味深かったのは、出場者の名前とともに、その肩書が徹底して叫ばれたこと。

出場しているのは、名だたるクイズ番組の覇者であり、クイズマニアの間では知られた人たち。
だが当然、一般的な認知度は皆無に等しい。

だからこそ、TBSは出場者の名前よりも、その肩書(番組名を含む優勝歴)とその番組の放送局を、他局であろうと惜しげもなくピックアップし、『局代表同士の戦い』という構図を作り出した。

こうなると、放送局であるTBS代表がひいき目に取り上げられそうなところだが、それは一切なし。
後述する挑戦者のところでも触れるが、公平感はかなり重視されていたように思う。

そして、番組が進行するにつれ、その肩書が徐々に有名無実化していくのも、今大会の見どころだった。
そのあたりも、のちほど詳しく。

演出

前作に感じた、クイズ版『SASUKE』感。
今大会に、そのSASUKE感は、微塵も感じられなかった。
このあたり、前回(WQC)の色を払しょくしつつ、TBSがクイズ番組としての演出方法を確立しつつあるという証拠なのかもしれない。

セットは、前回よりは多少豪華になった気もするが。
それはあくまで、ゴールドを中心に配色されたカラーリングゆえかもしれない。
番組そのものを育てていく気概があれば、なにか番組特有のシンボルマーク、あるいはシンボルアイテムのようなものを作って、ブランド力を蓄積していくのも手だとは思うが。ウルトラクイズにおけるハテナマーク、あるいはウルトラハットのように。

 

例によって長くなったので、後編につづく。

posted by たいにー at 17:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | テレビ・DVD・映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2012年06月26日

『THEクイズ神』は6月29日(金)放送予定

一般視聴者参加型クイズの祭典、『THEクイズ神』が、今度の6月29日(金)、21時から放送される。

昨年秋に放送された『ワールド・クイズ・クラシック』(WQC)の後継番組かどうかは分からないが、司会は同じ唐沢寿明が担当。同大会の優勝者も、その肩書きを背負って出場している。

本番組のコンセプトとして面白いのが、『各局人気クイズ番組の王者の中で、最も強いのは誰か』を競うという点。出場者の肩書きを見ると、その経歴は実にさまざま。

  • ホールドオン! チャンピオン (NHK)
  • アメリカ横断ウルトラクイズ・クイズ王 (日本テレビ)
  • 全国高等学校クイズ選手権 2連覇 (日本テレビ)
  • パネルクイズ アタック25年間チャンピオン (朝日放送)
  • Qさま!! 優勝(テレビ朝日)
  • 史上最強のクイズ王決定戦 2連覇 (TBS)
  • クイズ$ミリオネア 1000万円獲得 (フジテレビ)
  • FNS1億2000万人のクイズ王決定戦! クイズ王 (フジテレビ)

……と、他局の番組名を惜しげもなく紹介している。
そのほとんどが、過去の番組であるということもあるだろうが、一般予選枠も含め、出場者の門戸を公平に開いたという一定のアピールにはなっていると思う。
そして、それぞれの栄光を引っさげた強者たちの中で、誰が最強なのか。
雌雄を決するメンバーの肩書きとしては、申し分ない実績が並んだと言える。

23年越しであのクイズ王が復帰参戦

大会出場者は、クイズ大会優勝の肩書きを持つ16名に、東西の予選を勝ち抜いた4名を加えた全20名。

その中でも最大の注目は、長戸勇人氏だろう。
前回(WQC)は製作サイドとしての参加だったが、今回は満を持して一出場者として肩を並べることとなった。

勝負としてのクイズ大会に出場するのは、実に23年ぶりだという。23年前に出場したその大会こそ、優勝した第13回アメリカ横断ウルトラクイズである。未だに語り継がれる同大会の準決勝・ボルティモア『激戦!!通せんぼクイズ』(*)をご記憶の方も多いはずだ。

23年のブランクは、決して軽くはないだろうが、この人の勝負強さは恐ろしいものがある。実際、優勝したウルトラクイズのときも、参加直前まで南米海外に出かけており、戻ってきてから突貫でクイズの勉強をして大会に臨んだという。そして現在も『有限会社セブンワンダーズ』のクイズ作家として、テレビやゲームを始めとする多方面のクイズコンテンツに携わっている。実践の感覚さえ取り戻せれば、優勝候補の一角であることに違いはない。

ただ、さすがに23年も経つと、やや丸くなりましたな。
パッと見、俳優の永島敏行さんかと……。

(*)
4人による早押しクイズ。3ポイント先取で通過問題に挑戦できるが、通過問題は他の挑戦者にも回答権がある。自分が正解すれば勝ち抜け(決勝進出)となるが、お手つきや誤答、あるいは他の挑戦者に正解された場合、ポイントはゼロとなって回答席に戻るという、ウルトラクイズ準決勝ではおなじみのクイズ形式。第13回の通せんぼクイズは、クイズ史上一、二を争うほどの激闘として名高い。この戦いを勝ち抜いたのが、今回の『THEクイズ神』にも出場している長戸勇人、永田喜彰の両名で、長戸氏は8回、永田氏が3回、通過席に立っている(それぞれ7回、2回通過失敗した)。

さりげなく芸能人枠にも期待

参加20名の中には、芸能人枠が3名。
宇治原史規、やくみつる、三浦奈保子が出場する。

特に媚びたわけではない、非常に妥当な人選だと思う(媚びた人選は解説席の方に……)。むしろこの三人が、実績十分のクイズ戦士たちの中で、どれくらい善戦してくれるか、という期待すら抱いてしまう。

私はテレビ朝日系『Qさま!!』をよく見ているのだが、この三人の実力は折り紙つき。
すでに結果は出ているのだろうが、ぜひがんばっていただきたい。

ということで、参加者は実績中心に人選されてはいるものの、実質的には今の日本におけるクイズ王を選ぶという触れ込みに偽りのない顔ぶれとなった、今回の『THEクイズ神』。

金曜日(放送日)を楽しみに待ちたいと思う。

posted by たいにー at 20:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | テレビ・DVD・映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2012年03月17日

いつの間にか放送されていた『ライアーゲーム・スピンオフドラマ・フクナガ vs ヨコヤ』

『ドラえもん誕生まであと100年』を記念して放送された『ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団』を録画しておいた。
今日は家人が仕事で一人ヒマだし、ドラえもんでも見てようか、と思って録画リストを表示させたところ、見慣れないタイトルが一覧に表示された。

『LIAR GAME -再生- フクナガ vs ヨコヤ』

なんじゃこりゃ?
どうやら、知らない間にまたスピンオフドラマが放送されたらしい。

まったく、勝手にこんなものを放送しおって、けしからん。
私はドラえもんのことをすっかり忘れ去り、このスピンオフドラマを見ることにした。

ドラマが映画の伏線なのか、映画がドラマの伏線なのか

タイトルから見るに、内容はフクナガとヨコヤの対決を描いたもののようだ。
劇場版を見た方なら御存知の通り、映画は冒頭、フクナガとヨコヤの勝負に決着がついたシーンから始まる。かなり唐突感のあったこのシーンの詳細が、このドラマで明らかになるということなのだろう。

以前に放送された『アリス・イン・ライアーゲーム』のように、短編連続放送だとつまらないなあと心配したが、どうやら今回は1時間枠のまとまったボリュームのご様子。
安心して見ることができそうだ。

内容は、予想(タイトル)に違わず、フクナガ対ヨコヤのライアーゲーム対決。
二人が戦ったゲーム、それは……

ずぁん! ずぁん! ずぁん! ずぁん!(ドラマの効果音とご理解ください)

「タブーゲーム!」

見たところ、ドラマオリジナルのゲームのようだ。
ライアーゲームであるからには、マネーのやり取りが絡み、チャンスとリスクの間におけるつばぜり合いが繰り広げられる。

では、ディーラー・アルサブに変わって、ルールをご説明しよう。

タブーゲームのルール説明

<概要>
  • ゲームは1対1のタイマン勝負
  • 二人にはそれぞれ現金1億円の入ったトランクと、空のトランク、1つずつを配布(開始時の所持金はそれぞれ1億円)
  • ゲームは攻撃と守備に別れて実施。これを交互に4回ずつ繰り返す
<守備側>
  • 守備側はあらかじめタブーカードに3つのタブー内容を自由に書き入れる
  • 実際にタブー効果を持つ項目(真タブー)とし設定できるのは1つだけ。その場合、残りの2つはダミーとなる
  • 書き入れた3つの内容は、ゲーム開始と同時に公開される。もちろん、守備側はどれが真タブーなのか分からない
  • 自分が過去に一度使ったタブー(notダミー)は、同じ内容であれば(言い回しを変えるなどしても)その後の再使用ができない。ただし、ダミーとしてなら再利用可能
  • 結果的にマネー奪取を防ぐためのタブーも設定可能(トランク開け禁止、トランクルーム入場禁止、マネーへの接触禁止……など)。ただし、これらを真タブーとして2回以上設定することはできない(ダミーとしての使用は可能)
  • 攻撃側、守備側を問わず、真タブーを犯したらアウト。
  • アウト発生でその攻撃は終了、アウト発生時はタブー履歴がリセットされ、一度使用した真タブーの再利用が可能となる
  • 通常は連続的にゲームが展開するが、アウト発生時のみ、次のゲームまで10分間のインターバルが生じる(この間のマネー奪取は不可)
  • 2回のアウトを受けたプレイヤーはコールド負けとなり、所持金に関係なく、勝者1億(賞金)、敗者-1億(負債)となる
<攻撃側>
  • マネーの奪取は攻撃側のときのみ可能
  • マネーを奪う際は、必ず自分の空トランクに相手の現金を入れなければならない。マネーだけを札束のまま奪ったり、相手のトランクごと奪う行為は禁止
  • 攻撃タイムは15分
  • マネーを奪取した/しないを問わず、攻撃タイムを終えたら『FINISH』ボタンを押す
    (奪わずにFINISHすることも可能)
  • それまで攻撃側だったプレイヤーは、タブーカードに3項目を書き入れ、次のゲームのタブーを設定した時点で攻守交替
  • 『FINISH』ボタンを押す前に15分が経過した場合は、その時点で攻守交替。次回守備側はタブーの設定ができない。ただし、前回に設定したタブーカードのなかで真タブーに未設定の項目があれば、その中から自動的に真タブーが割り当てられる(どれが設定されたかは、攻守双方分からない)
<その他>
  • 当然ながら暴力行為は一切禁止(ペナルティは不明)
  • ゲーム終了時点で、所持金の多いほうが勝者。相手から奪ったマネーがそのまま賞金となる
  • 4回ずつの攻撃が終了した時点でマネーが同額だった場合は、サドンデスの延長戦に突入。双方の獲得マネーに差が発生するまでゲームを繰り返す

そして戦いは『再生』する

そんなこんなで、放送1時間の攻防の末、戦いは決着した。
どういう結末になったかは、映画をご覧いただいた方ならお分かりの通りだ。

今回のゲームに限った話ではないが、ルールが非常にややこしい。
んでもって、結末を成立させるために作られたと思われるルールが、そこかしこに。

とはいえ、前回の劇場版(ザ・ファイナルステージ)のときのように、スピンオフ(補足)ドラマが非常にニッチな有料番組(ネットドラマ)として配信されるよりは、深夜帯でも、テレビで放送してくれた今回のほうがはるかにありがたい。特に、今回の劇場版(再生)では、フクナガ&ヨコヤの活躍度がイマイチだっただけに、この二人(だけ)が存分に活躍するドラマは、それなりに見応えのあるものだった。

原作でも間もなく、ヨコヤとフクナガの本格的な戦いが描かれる……と思う。
原作とドラマ(映画)では、両者のキャラや立ち位置はまったく違うものになってしまっているが、少なくともドラマで大量発生した(と思われる)多くのフクナガファンにとっては満足のいくようなフクナガ節が炸裂しているのは確かだ。

問題は……
これ、見逃した人も多いと思うけど。
もう一度放送したり、しないのかしら?

元々はBSスカパー!で放送され、考え方によってはそれをわざわざ地上波でも放送してくれた、と好意的にとらえることもできなくはない。

でも、もう少し、もー少しくらい。
ゴールデンに近い時間帯に放送してくれても……ねぇ?

posted by たいにー at 15:52 | Comment(4) | TrackBack(0) | テレビ・DVD・映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2012年03月10日

劇場版『ライアーゲーム -再生-』に見た、約2時間への詰め込み具合

劇場版『LIAR GAME –REBORN 再生-』を観てきた。
まだまだ絶賛公開中(のはず)なので、多くは語れないが……。

総合評価60点。
やや甘めにつけて、この点数。

とりあえず、ネタバレにならない程度の話題から触れていくことにする。

キャストが無駄に豪華すぎ?

今回の映画、制作発表時からの注目点の一つが、今をときめく天才子役・芦田愛菜ちゃんの起用。
ライアーゲーム事務局における最年少の事務局員ということで、おそらくは自身初の悪役……というよりは、やや影のあるキャラ・アリスに挑戦した彼女。

ただ、アリスがこの作品に登場する必然性があったのか。
加えて言うなら、今回の主催者たる立ち位置にあったΩ(江角マキコ)も同様。
事務局の目的が

『アキヤマを潰す』

ことに終始しているのであれば、単純にゲームの場を用意するだけではなく、もっと周到なアキヤマ潰しの算段があってもいいはずなのだ。

その補完の意味もあったのか、映画の封切り後、テレビの深夜枠でアリスを主人公に据えたスピンオフドラマが四夜連続で放送された(各10分程度)。
このドラマ、彼女が史上最年少のライアーゲーム事務局員になる過程を描いたものではあるのだが、彼女が秋山に復讐する動機付けにはなっていないのが気になるところ。あくまでΩに協力した一人、ということなのだろうが。

旧来の事務局員と定番キャラ

事務局サイドの主なメンバーとして、前作にも登場したキャラが3人ほど出てくる。
キノコこと福永ユウジ。
以前にマルチを組織していたヨコヤ。
そして谷村光男。

ヨコヤを除く二人は、劇場版では完全にゲーム進行の解説役。
というよりは、一視聴者といったほうが正確か。

福永が事務局サイドに回るという展開そのものは、悪くないと思う。
ただ、それならそれで、シリーズ前半に威力を脚光を浴びた、福永の狡猾さが発揮されるようなシーンが欲しかった。ただのギャグキャラではなく、ずる賢いギャグキャラであるところが、実写版ライアーゲームにおける福永の持ち味だと思うので。

そういえば、事務局員とは全く関係ないが、チビキノコも出てましたな。
どこに出てくるのかは、劇場版を見れば絶対に分かるので、ぜひその目でご確認を。
完全にチョイ役だけど。

ここからはストーリーに踏み込む内容(ネタバレ)を含むので、追記扱いで。
肝心な部分は伏せているつもりなので、さほど問題はないのかもしれないが。
もう映画を見た、あるいはネタバレしても構わないので読みたいという人だけ、先にお進みください。

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posted by たいにー at 18:28 | Comment(2) | TrackBack(0) | テレビ・DVD・映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2012年02月07日

新劇場版『LIAR GAME−再生−』、原作から変わる点、変わらない点

『LIAR GAME−再生−』封切りまで、気がつけば一ヶ月を切っている。
さすがにここまでくると、宣伝ムービーなども用意され、いよいよというムードが高まってくる。キャストも明らかになり、公開情報の量に比例して、ファンの期待は高まるばかり。

そんな中でいつの間にか、第一作目の『LIAR GAME』再放送が始まっていた。
私自身はまったく気にも留めていなかったのだが、登録キーワードが残っていたHDDビデオレコーダーくんは、しっかり仕事(=録画)をしてくれていたようだ。
エライエライと褒めてやる。

ここで、劇場版を見る前に、分かってきた情報を(今さらながらに)整理してみたい。

キャスティングにおける謎

今回、秋山深一の肩書きが『元詐欺師』から、晴れて『天才心理学者』となっている。
どうやら大学教授として心理学を教えており、その絡みで新たなヒロインとなる篠宮優(多部未華子)との接点を持つようだ(優が秋山を先生と呼ぶシーンあり)。

今回の新劇場版制作にあたり、当初の触れ込みは

「秋山以外のキャストを一新」

ということだったのだが、気がついてみると、かなりの再登場メンバーが含まれている。
ざっと見渡したところ、再登場は以下の通り。

  • 坂巻マイ(濱田マリ:前劇場版に登場)
  • 安川ノリヒコ(春海四方:シーズン2・セミファイナルに登場)
  • 谷村光男(渡辺いっけい:LGT事務局)
  • 福永ユウジ(鈴木浩介:LGT事務局)
  • 横谷ノリヒコ(鈴木一真:LGT事務局)

一新どころか、5人もいるじゃねーか!
濱田マリや春海四方ら、再登場組のゲーム参加経緯も気になるところだが、最も気になるのは、今回、LGT事務局として名を連ねる事になったヨコヤ、そしてキノコことフクナガユウジの存在。

実際、フクナガは予告編の中でも谷村と一緒に登場するシーンがあり、立場はともかく、事務局サイドのメンバーとして登場するのは間違いないようだ。おそらくは前作のエリー(吉瀬美智子)の立ち位置で、ゲームの状況や展望を解説する役割ではないかな、と。あとは、秋山たちをゲームに導く水先案内人か。

ヨコヤは……
途中でゲームに乱入したり……しないよね、やっぱ。

ストーリーに影響を及ぼすかもしれない、若干のルール変更

新劇場版の舞台となるイス取りゲーム。
その内容も、少しずつではあるが明らかになってきた。

基本的なルールは原作と同じだが、細部で劇場版独自の味付けがなされている。

まず、イスの数が15からスタートする点。
原作は24名の参加者に対し、25個のイスが用意されているが、劇場版では20名に対して15個のイス。
これにより、序盤から次々と脱落者(原作でいうところのガヤ)が発生する展開となり、総じてゲームの進行を早める狙いがあると思われる。

また、繰り返されるゲームの中で、着座合図までの時間が30分と確定された(原作では不定)。
主な流れは、

  • 作戦タイム(30分間)
  • 着座
  • 投票所へ戻る(10分間)
  • 親決め投票(5分間)
  • イス消去

これを繰り返すことになる。

親決め投票にも変更点が。
原作では、トップの得票数が同数になった場合、プレイヤーとガヤの投票に優劣をつけたり、再投票させるなどして、必ず親を決めるようにしているが、劇場版では同様のケースの場合、親の決定は見送られ、イスも減らさずに次のゲームへ移行する。

さらに、これはオマケ的な要素かもしれないが、暴力行為のペナルティーが変更に。
脱落者の暴力行為については原作通り(罰金一億円)だが、プレイヤーが暴力行為を行った場合は、即ガヤ落ちということになった。これが果たしてストーリーに影響をおよぼすのか否か。

原作ファンでも変わる点、変わらない点を楽しめそう

そんなこんなで、随所に原作の色を残しつつ。
なおかつ、劇場版ならではのアレンジがかなり加えられている節が見られる。

原作は原作で、かなり完成された展開だっただけに、劇場版がどんな展開になるのかは、想像もつかない。基本的には3チームによる戦いになる点や、シマタカヒロがちょっとしたキーパーソンになるなどの要素は変わらないだろうが、完全に原作と同じ展開、そして結末になるということはないはずだ。

どう変わり、そしてどう変わらないのか。
そのあたりを見極めるのが、ファンにとっては面白く感じられそうだ。

もちろん、原作を知らない人は、繰り広げられる頭脳戦を純粋に楽しめるはず。
あとは、カルト教団の教祖を演じる船越英一郎の怪演に期待したいところ。

幕が上がるのは、もうすぐ。
いろいろな妄想を巡らせながら、その日を楽しみに待つとしよう。

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2012年01月22日

ドラマ『相棒』の角田課長愛用、パンダのマグカップを買ったのだ

テレビドラマ『相棒』。
この番組に登場する角田課長(演:山西惇)が愛用しているパンダのマグカップ、通称『相棒 角田課長の「ひまカップ」』を通販で探し、購入手続きを済ませたというのが、前回のお話。

注文から二日後。
商品は届いた。
それがこちら。

相棒 角田課長の「ひまカップ」パンダマグカップ・後ろから

おぉ。
なかなか愛らしいでないの。
カップはもちろんだが、箱もきちんとパンダナイズしているのがよいぞ。
パンダの後ろ姿は、何かを感じさせるものがある。

パンダマグカップとCoCo壱番屋マグカップとの比較パンダマグカップを上から見る

カップそのものは、かなり小さめ。
ウチで標準的に(?)使っている、CoCo壱番屋のマグカップと比べると、その差は歴然としている。角田課長は、少量のお茶(コーヒー)を美味しく飲むというタイプでいらっしゃるようだ。

ちなみに、カップの底面には、パンダにちなんで笹がプリントされている。
ワンポイントデザインではあるものの、これもまたよいぞ、よいぞ。

以下、カップをいろいろな角度から撮ってみた。

パンダマグカップを後方やや下から

ちゃんと尻尾もあるでよ。
こうしてやや下から見上げてみると、パンダがカップにしがみついているように見えますな。

で、実際の利用シーンは、こんな感じ。

パンダマグカップを手に持っているところ

パンダの部分が取っ手になっているので、利用時は必然的にここを掴むことになる。
ただ、パンダ部に手を添えてみると……
なんだか、カップにしがみつくパンダを引き剥がそうとしているみたいだ……。

こうして『PANDA NONDA?』とプリントされたカップは、我が家でのデビューを果たした。
できれば、これを職場に持って行って、使ってみたいものである。
そして、机で頬杖をつく人の横に、このカップを持って歩み寄るのだ。

「暇か?」

とニヤニヤしながら。

posted by たいにー at 21:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | テレビ・DVD・映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2012年01月21日

ドラマ『相棒』の角田課長愛用、パンダのマグカップが欲しいのだ

相棒の見所の一つ、それはマグカップ!?

テレビドラマ『相棒』。
みんな見てる〜?
(いきなりの軽いノリでごめんなさい)

ウチでは家人が好きで、よく見ている。
私もそれにつられる形で、ミッチー(及川光博)が出てきたあたりから見るようになった。
別にミッチーに特別な思い入れがあるわけでは、決してない。

そんな中で、最近、家人が番組内のあるモノに執着し始めた。
その『あるモノ』とは。
それは……
(って、タイトルで書いてるんだから、引っ張っても意味ないんだケド)

「暇か?」

の定番ゼリフとともに、ちょくちょく特命係に登場する、角田課長。
山西惇演じるその彼が、いつも手にしているマグカップだ。

このカップ、『PANDA NONDA』とプリントされ、パンダがカップにへばりついている。
そしてこのパンダが、そのまま取っ手になっているというシロモノだ。

「あれが欲しい」

あまりにも欲しい欲しいとうるさい(毎週、カップが登場するたびにつぶやく)。
しゃーねーな、と探してみることに。
それにしても、こーゆーカップって、番組の特注品だったりしないのかしら?

あるにはあったが、なかなかないマグカップ

とりあえず、適当なキーワードでグーグル先生に訊いてみることに。
すると、あるものですな、番組の定番アイテムというものは。
売ってるサイトもあった。こりゃ楽勝だ。

……と思ったら、どこもかしこも、

『売り切れました』
『完売しました』
『現在、在庫がございません』

のオンパレード。

調べていくうちに、番組の放送局であるテレビ朝日のグッズ通販サイト『Ropping』でも、『相棒 角田課長の「ひまカップ」』という商品名で販売されていることを知ったのだが、当然のようにこちらも売り切れ。しかも、価格が他のサイトよりも高い(他サイトが800円〜900円程度なのに、テレ朝は1,200円)。足元見てるな〜。

そんな中、マグカップの販売元(?)であるPANDA屋さんのサイトで、商品が入荷した

購入したら……翌日にはSOLD OUTになってしまっていた。
購入意欲満々で上記のURLをクリックした方、申し訳ない(アフィリエイトとか、そーゆーのは一切絡めていないのでご安心を)。
1月末には再入荷するらしいので、しばしのお待ちを。

そして私も、カップの到着を待ちわびるのであった。
思っているのと違うものが届いたりしませんよーに……。

つづく

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2011年11月27日

ワールド・クイズ・クラシック(WQC)は、次代のTBS看板番組となるか(後編)

前編からの続き。
今回も無駄に長くなってます。

ドキュメンタリーとしては発展途上

今回集結した挑戦者は、人生をクイズに捧げたという人が多くを占める。
学術を基盤に知識を磨いた者、諸大会を総なめにしてきた者、クイズをきっかけに結婚した者など、境遇はさまざま。

番組では、熾烈な激闘に交え、各挑戦者の人生描写も併せて紹介した。
クイズとしての面白さに加え、ドキュメンタリー的な人間ドラマの要素も表現しようとしている。
この方法が、いま一つ巧くない。

クイズドキュメンタリーとしては、ウルトラクイズが絶対的な存在だ。
放送を重ねるごとに、海外を旅する過程で変化していく挑戦者たちの表情や意識が見てとれる。それは、カメラワークや演出もさることながら、最も近い位置で挑戦者を見ていた福留アナという出題者 兼 司会進行役があってのこと。

随所に挑戦者の生き様を絡めようとする見せ方は、わからんではない。
ただ、TBSの場合は、特定人物の紹介が、いちいちくどくなる傾向にある。
(同じVTRや紹介コメントを、何度も何度も繰り返す)
これも、なんとかしてほしいものである。

往年のクイズ戦士たちが勢揃い

本戦出場者は、全部で33名。
そのほどんどが、名だたるクイズ番組で活躍してきた、歴戦の強者ばかり。
さながら、クイズ戦士の同窓会のような顔ぶれである。

ただ、若い世代も確実に台頭し始めている。
その筆頭格が、高校生クイズ出場経験者たち。
ここ数年の学力偏重化した高校生クイズは、当ブログでも幾度となく批判の対象として取り上げてきた。だが、ことこの番組の挑戦者として見たとき、『知力の高校生クイズ』で活躍した遍歴は、確実に称号として映える。

そんな中で、ウルトラクイズ好きな私が気になった人物、三人。

一人は、永田喜彰氏。
第13回アメリカ横断ウルトラクイズ準優勝者。ボルチモアで行われた史上屈指の激闘クイズ『通せんぼクイズ』を勝ち抜いた姿は、今でも鮮明に記憶している。

そんな彼の本番組での肩書きは『はぐれ賞金王』。
かつて、クイズ番組で賞金を獲得しまくった彼も、一般参加型クイズ番組がほぼ死滅した今では、活躍の場が失われてしまった。しかし、いつでも番組が開催されたときには参加できるよう、準備は怠っていなかったとのこと。それが『コールセンター勤務』という職業にも表れている。彼の才能やキャラクターを考えれば、なんとももったいない気がするが。

一人は、松尾清三さん。
ご存知、第一回アメリカ横断ウルトラクイズの覇者。
クイズの舞台でお目にかかるのは、第11回大会、準決勝・ニュージャージーでの対決クイズ以来。
御年73歳。
その姿からは、年齢を重ねた人生の深さを感じさせるが、その表情や眼力は、あの当時のまま。惜しくも1st Stage突破はならなかったが、こんな歳の取り方をしてみたいと思わせる、そんな風格を感じさせてくれた。

そしていま一人は、長戸勇人氏。
前述の永田氏の盟友にして、永田氏とニューヨーク決勝の舞台で戦った、第13回アメリカ横断ウルトラクイズの覇者。
彼は、挑戦者としては出場していない。
なんと、副音声による裏方解説として出演していたのだ。

長戸氏が出場していないのは、番組の問題制作に、彼が運営する会社・セブンワンダーズが携わっているのが一因だと思われる。だからこそ、『製作サイド』として彼が解説役に徹するのは、ある意味では自然な流れということになる。

だが、往年のクイズファンの心情としては。
長戸氏に限らず、各クイズ大会で名を馳せた、西村顕治氏、水津康夫氏、道蔦岳史氏など彼らがあの中で戦っていたら……
そう思わずにはいられないところだ。

芸能人の起用方法は試行錯誤中

総合司会が、唐沢寿明。
完全な進行役に徹するのかと思いきや、決勝戦では出題も担当。
ややぎこちなさもかもし出していたものの、全体的にはよく頑張っていたと思う。あからさまな知的キャラではないということもあってか、新鮮さは感じられた。あれで、挑戦者をいじったり、戦況に応じて場の雰囲気を創り出すことができるようになれば、司会者として、板についていくのではないか。

芸能人参加枠として、ジャルジャル後藤、三浦奈保子、矢部太郎が参戦。
いずれも1st Stageで脱落。
ジャルジャルは、明らかに場違い感いっぱい。
コメント席にいた福徳ともども、会場で完全に浮いていたように見えた。

矢部太郎はやってくれそうな雰囲気を見せたが、緊張感の前に実力を発揮できず。
三浦奈保子は……彼女はどこへ向かおうとしているのだろう? 美形で知的なのは間違いないが、イマイチ華がないのは、トークが上手くないゆえか。

ギャラリー参加の芸能人席は、『参加者がいかに凄いか』をお茶の間に伝える役どころなので、高校生クイズのそれとほぼ一緒。
ただ、コメントを求めるタイミングは、高校生クイズほど酷くはなかった。
あちらはクイズの流れをぶったぎってまで、芸能人にコメントを求めていたので。

また、これは一般挑戦者、芸能人枠、ともに言えることだが。
今後の連続開催を考え、初回からフルパワー布陣ではないのが、ありありと伺える。
一般参加者では前述の面々を始め、高校生クイズで一躍その名を全国に轟かせた東大生・田村正資氏など、最強の挑戦者軍団を揃えようと思えば、コマはまだまだある。

芸能人枠で言えば、Qさまなどのクイズ番組で活躍する宇治原、シンデレラ畠山らが参加したならば、いいところまでいく可能性は、十分にある。
そういった『余力』を残した上での船出だったと言えよう。

第二回以降への提言

本大会の賞品は、世界一周旅行と車。
これって昭和50〜60年代におけるクイズ番組の商品では。
当時と違い、現在の『クイズ王』と呼ばれる人物が勝ち得るものは、賞金や商品ではなく、史上最強の頭脳の持ち主という称号、いわば名誉にこそ、あるのかもしれないが。

だとすれば、製作側としては、非常においしいコンテンツということになる。
制作費は極力かけず、それぞれの能力が凌ぎを削る場面の演出に全力を注ぐ。
それで視聴率が稼げるのであれば、万々歳だ。

ただ、そのためには。
番組、ひいてはWQCそのもののブランド力を高める必要がある。
ウルトラクイズだって、福留アナというカリスマが存在し、クイズ王がその名に相応しい活躍を見せ、誰もがあの場に参加したいと思える雰囲気を作り上げたからこそ、人気番組となり、今なお伝説のように語り継がれている。

WQCが、そういった存在感を作り出すためにも。
まずは、もう少しクイズのセットを豪華にできないものか。
準決勝にしても、決勝にしても。

「あの席に座ってみたい」

と視聴者に思わせるには、あまりにもセットがチャチすぎる気がするのだが。

posted by たいにー at 00:03 | Comment(6) | TrackBack(0) | テレビ・DVD・映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2011年11月25日

ワールド・クイズ・クラシック(WQC)は、次代のTBS看板番組となるか(前編)

11月23日(水)にTBSで放送された『頭脳の祭典!クイズ最強王者決定戦!!〜ワールド・クイズ・クラシック〜』(WQC)を観た。

ワールド・クイズ・クラシック。
通称、WQC。
名前から想像できる通り、まんま、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)のパクリである。

ワールドと言いつつ、日本人挑戦者しか参加していないのは、とにかく風呂敷をでかくしたいという強い思いの表れか。

その昔放送されていた『アメリカ横断ウルトラクイズ』(日本テレビ)や『FNS 1億2000万人のクイズ王決定戦!』(フジテレビ)などと同じ、一般参加者中心の最強クイズ王決定戦番組。TBSでは『ギミア・ブレイク 史上最強のクイズ王決定戦』以来の大型一般参加クイズ番組となる。

さて、その内容は、いかほどのものか。

意外と評価できるクイズ形式

今回、33名からスタートしたクイズバトルは、以下の形式で進行した。

  • 1st Stage:アラカルト(80秒以内に7問のクイズを正答)
  • 2nd Stage:VANISH(筆記形式のサドンデスクイズ)
  • 3th Stage:Portrait Fountain(1対1の肖像画人名当てクイズ)
  • 4th Stage:Battle Royal(4ポイント先取早押しクイズ)
  • Final Stage:The Tower(10ポイント先取早押しクイズ)

内容は、完全知力戦。
おそらくは、『高校生クイズ』(日本テレビ)知力一辺倒に路線転換したのち、高視聴率を維持しているのが、番組の構成に影響を与えているものと思われる。あちらは高校生しか出られないが、こちらは年齢制限のない、究極の知力バトルを展開される……といったところを、ウリにしたいのであろう。

ところで、上記5つのクイズステージ。
個人的には、なかなか面白い形式を用意したな、と思う。

特に肖像画人名当てクイズは、クイズマニアの盲点を突いた、面白い形式だと思う。大画面に表示された肖像画と、オマケ程度に添えられた文字情報を元に、該当する人物名を筆記で回答するというものだ。クイズの元となる知識は、文字と音(言葉や文章)から成り立つものがほとんどの割合を占めるため、肖像画や写真と結びつけて覚えていない人には、苦戦必至の戦いとなる。
(とはいえ、ほとんどの場合は付帯する文字情報だけで答えられる問題ばかりだったが)

また、決勝戦の形式も、地味だが私の中では高評価。
10ポイント先取というありきたりのルールでありながら、誤答・お手つきをした場合には振り出し(0ポイント)に戻るというのが斬新。
このルールのおかげで、挑戦者に若干の慎重さが生まれ、通常よりも問題文を長く聞くことができたのではないか。

正解するごとに少しずつ解答席が上昇していく演出は、往年のアップダウンクイズを思わせるもので、昭和のクイズファンには懐かしい限り。ただ、万が一、決勝進出者が高所恐怖症だった場合、戦いに水を差すことになりはしないか、そのあたりがチョット心配。

一方で引っかかったのが、準決勝の『Battle Royal』。
ルール的には、ウルトラクイズ準決勝クイズの定番『通せんぼクイズ』そのまんま。
ただし、以下の二点が異なる。

  • 『通せんぼクイズ』は通過挑戦者が問題の封筒を選ぶことができるが、『Battle Royal』は通常通りにクイズが進行する
  • 通常の解答席でミスした場合は『通せんぼクイズ』がマイナスポイントとなるのに対し、『Battle Royal』では一回休み

酷似したルールの中でも、上記二つめの相違点はかなり重要。
通常なら、通過されては元も子もないとばかり、通常解答席の挑戦者は通過クイズを阻止すべく(マイナスポイントの量産覚悟で)早押しボタンを押しまくるが、一回休みとなると、通過クイズ挑戦者が俄然有利になるため、容易にはボタンを押せない。なにせ阻止要因が一人減るのだから。

しかし、このクイズ形式を見ていると、『通せんぼクイズ』の偉大さを痛感する。
同じことをやっているのに、音楽の使い方、間の取り方、表情の撮り方、そのいずれをとっても『通せんぼクイズ』には緊張感が満ちていた。

名前は変われど、同じ形式を採用したことからも、準決勝という舞台におけるこのクイズ形式の完成度を、うかがい知ることができるというものだ。

随所に感じるTBSの番組色

番組が始まって、いの一に感じたこと。

『これは、クイズ版SASUKEなのか』

厳密には、必ず勝者が輩出されることから、『スポーツマンNo.1決定戦』のクイズ版と言った方が正確か(SASUKEの場合、勝者が出るとは限らない)。
どちらもTBSの番組であり、演出が似かよるのは仕方の無いところでは、ある。

挑戦者の名前表示や、各人の背景紹介、各パートを『Stage』と名付けるなど、至るところにSASUKE臭が漂う。
ただし、SASUKEが完全な個人戦だったのに対し、こちらはあくまでプレイヤー間の戦いが前提である。このあたり、1st Stageのような個人戦要素に徹し、Final Stageではマニアでも突破不可能な試練を用意しておく……なんて展開にすると、違った面白さが出る……かもしれない。

今回、番組に『第一回』と冠していることからも、TBSがこの企画を季節特番に持ってくるのは、ほぼ間違いのないところ。

SASUKEの制作会社が破綻してしまった今。
TBSが次に活路を求めたのが、クイズということなのだろうか。

そして、4回、5回と回を重ねる頃には。
上位の常連となるWQCオールスターズなるものが結成されているのだろうか。
そしてそのメンバーは、他局番組の垢がついていない、WQCで大成・開花した逸材が名を連ねる……なんて展開になるのが、TBSとしては理想であろう。

長くなってしまったので、続きは後編にて。

posted by たいにー at 21:47 | Comment(2) | TrackBack(0) | テレビ・DVD・映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2011年11月21日

新劇場版『ライアーゲーム−再生−』でわかってきたこと

わかってきたこと。
……と大層なタイトルをつけてみたものの。
ここで挙げることは、ファンの方なら、ほとんどの皆さんが知ってることばかり。

原作ももうすぐ(ヤングジャンプ11/24発売号あたり?)連載再開らしいし。
3月3日の公開に向け、景気づけに盛り上げていこうということで。

愛菜ちゃんの初悪役ってライアーゲームのことだったのか

今回、復活したライアーゲーム事務局の事務局員(前作で言うところのエリー:吉瀬美智子の立ち位置)に、少女・アリスこと、芦田愛菜の起用が決定した。

『天才的な頭脳を持つ子どもが、事務局員としてゲームを仕切る』という役どころで、彼女に白羽の矢が立ったとのこと。確かに『人生二週目』とさえ言われている愛菜ちゃんであれば、あの難しい役も、すんなりこなしてしまうかもしれない。

ほかにも、史上最年少のLGT事務局員という設定もあるそうだが。
ま、そりゃそーだ。
ほかの事務局員が、こども店長だったり福くんだったりしたら、もう誰も何も信じられない世の中になりそうだ。

で、事務局長を、えなりかずきがやる、と。
いろんな意味で『無理』がありそうな配役。
面白そうではあるのだけどね。

一応のニューキャラクター群

気がつけば、立ち上がっている公式サイト。

詳細情報については、まだまだ出し惜しみされている現状。
情報としては新しいものではない(10月掲載)が、映画.comの情報より一部引用。

「ライアーゲーム」新ヒロイン・多部未華子で再映画化 (映画.com)
(中略)
今回は「助けあう心」。20人のプレイヤーが壮絶な騙しあい、心理戦を展開するなかで、決してひとりでは勝ち抜けない「イス取りゲーム」に秋山がどう臨むのか。また、多部扮するユウは、ヒロインではあるものの敵か味方かはわからないという。秋山つぶしを目論む最強の刺客、桐生と張本、謎の女性プレイヤー・エミを誰が演じるのかにも注目が集まる。

新キャラとして突如登場した、桐生、張本、そしてエミ。
風貌や素性は一切踏襲されないだろうが、コミック版の役柄と関係を考えた場合、

桐生=ヨコヤ
張本=ハリモト
エミ=アベ

ということになるのだろうか。

エミの役どころが、原作のアベに相当するかどうかはともかく、確実にストーリーの流れを握るキャラであることは間違いなさそう。
そして、確実にキレイどころの女優が充てられると思われる。

ここで戸田恵梨香を充ててきたら、ちょっと面白いかも。
もちろん、完全悪女系キャラで。
もちろん、カンザキナオに瓜二つという設定で。

……絶対にないだろうけど。

どうやら音楽は中田ヤスタカのままで

最近になって、フジテレビの放送内で『ライアーゲーム−再生−』の公開告知が行われるようになった。

そのBGMとして流れているのは、お馴染み、あのタイトルテーマ。
もはやドラマ版『ライアーゲーム』の看板と言ってもいい曲だ。

これが流れたということは、『再生』の音楽も中田ヤスタカが担当すると見て、ほぼ間違いないだろう。公式決定ではないけれども、安心してよさそうだ。

そのほか、ちらっと流れた宣伝映像は、暗い屋内の映像だった。
無人島を舞台にするのだから、てっきり明るい屋外だと思っていたのだが。

ゲーム前のユウの部屋前とか、事務局の映像だったのだろうか?
それとも、ゲームの行われる無人島に、イス取りゲーム用の箱物施設を作ったという設定なのだろうか。
だとすると、その場合は迷路的な構造になるとか?
公式サイトでは『メインセットの組まれている某廃墟』とも書かれているし……

興味(妄想)は尽きない。

まーしかし、原作からして人気作品だし、ロケやセットにほとんどカネかけなくていいし、気にするのはキャスティングとシナリオだけと、製作サイドからしてみればラクな部類の作品ですわな。

逆に言えば、映画でなくとも、2時間のスペシャルドラマ枠で十分な内容とも言えるわけだけど、こればかりは、視聴者側としては、どうしようもあるめえ。

公開まで、約3か月ちょっと。
……って、あまり時間ありまへんな。
ロケ場所がほぼ限られているとはいえ。
撮影、大丈夫なのかしら?

posted by たいにー at 23:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | テレビ・DVD・映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2011年10月08日

ライアーゲーム新劇場版・イス取りゲームの変更点を想像してみる

先日の記事で、ライアーゲームの新劇場版公開決定をご紹介した。
題材が『イス取りゲーム』になることも決定した。

このゲームは、実際に原作の中で使われたもの。
ライアーゲームの題材になるからには、タダのイス取りゲームではない、ということくらいは想像がつく。

では、どのようなゲームになるのか。
原作の内容、そして劇場版に採用されるにあたっての変更点なども交えて、いろいろ妄想してみる。

普通の『イス取りゲーム』と何が違うのか

イス取りゲームというと、誰もが子供のころにやったアレを想像するだろう。
大筋では一緒なのだが、細部にライアーゲームならではのアレンジが加えられている。

原作をご覧になったことのない方のために、(原作で採用された)ルールを簡単に紹介しておくと、

  • 参加者数に対して多いイスを配置して始まる(例えば参加者20名に対して30個とか)
  • ゲーム会場は広大な敷地(原作では無人島)を使い、そこにランダムでイスが配置されている
  • スタート地点が決められており、合図と共に一度スタート地点に戻り、イスを探し、所定の時間内にイス座らなければならない
  • イスには番号が振られており、同じ番号のイスには二回続けて座ることはできない
  • 暴力行為は罰金ペナルティだが、行く手を遮ったり、イスを動かす、隠すなどの妨害行為は認められている
  • イスに座れなかったプレイヤーは『ガヤ』となり、ゲームから脱落する
  • 1回のゲームが終わるたびに、イスが一つずつ外されていく
  • どのイスを外すかは、その都度、親決め投票によって最多得票を獲得した親が任意の番号を指定する
  • 親決め投票には、脱落したガヤも投票できる
  • プレイヤーにはゲーム開始時に20枚、それぞれプレイヤーの名前が刻まれたメダルが渡され、ゲーム終了時に、最後まで残った勝利者の名前が刻まれたメダルが、一枚一億円で換金される。
    (劇場版は賞金獲得総額が20億ということで、メダルは一人20枚になると思われる)

ほかにも細かいルールは多々あるが、大雑把にはこんな感じだ。

ライアーゲームとしてのイス取りゲームの醍醐味

上記のルール紹介の中には書かなかったが、プレイヤーはゲーム開始前、一番最初の時点で、一時間の作戦タイムが与えられる。

この間にすべきことは、一にも二にも、イスの確保。

なにせこのゲーム、イスに座れなくなったら即失格。
さらには、同じイスに二度続けて座れないというルールから、複数のイスを所有していないプレイヤーも、失格する可能性が高くなる。

一人で複数(できれば3、4個)のイスを確保できれば良いのだろうが、実際はそれほど簡単ではないし、隠したとしても他人に持ち去られたり、あるいは親決め投票で自分のイスが外されてしまうかもしれない。

そこで重要なのが、チームの形成だ。
例えば、2個ずつイスを確保したプレイヤーが三人集まったとする。
この時点でイスは6個。お互いのイスを融通し合うことで、同じ番号のイスに座れないという問題は回避できるし、親決め投票でイスが消されても、しばらくは持ちこたえることができる。1個しかイスを持っていないプレイヤーは、すぐに脱落してしまう運命にあるが、もう一人、同じ境遇の人と組む(二人で2個のイス)だけで、イスを消されない限りは生き長らえることが可能になるのだ。

仮に失格した(ガヤになった)としても、望みはまだある。
このゲームで最も重要なのが親決め投票。チームメンバーの誰かが常に親を取れたならば、確実にゲームを制することができる。自分たちのイスが消される心配がなくなるからだ。
そして失格したガヤは、ゲームには参加できないものの、親決め投票の権利は有する。
このガヤたちを繋ぎとめるのが『メダル』だ。
ルール上、賞金総額は20億となっているが、賞金は勝者に送られるのではない。勝者の名前が刻まれたメダルと(一枚につき一億)換金されるのだ。
つまり、ガヤでも勝利者のメダルを手にしていれば、賞金を手にすることができる。
反対にプレイヤーは、いかにガヤをうまく利用するかが、勝敗を大きく左右することになる。

原作ではこれを『国取りゲーム』と称していた。
領土、国民、統治能力といった国家を形成する要素が、ゲーム中ではイス、プレイヤー(+ガヤ)、メダルににあたる。これをいかにバランスよく使いこなすかがポイントだ。

そんなわけで、一見して個人戦になりそうなイス取りゲームが、組織戦として展開されるのが、このゲームの醍醐味である。

必然的に生じそうな原作との違い

原作では、四回戦本戦として行われたイス取りゲーム。

当然ながら、それまでのゲーム(敗者復活戦を含む)において、同じプレイヤーが対峙することも少なからずあり、それぞれの間で理解し合ったり敵対したりと、人間関係も構築されていた。この個人間の関係が、原作のイス取りゲームでは、少なからず結果に影響を及ぼしている。

それに対し、新劇場版では、突如として開催されることになっているこのゲーム。
当然ながら、(前作からの出演が秋山だけとなれば)プレイヤー間の面識はないはずで、お互いの素性や性格などは、開始時点では知る由もなし。

さらに、原作のイス取りゲームで秋山と肩を並べる実力の持ち主、ヨコヤ、ハリモトといった存在が、新劇場版では使えない。ヨコヤは前作でイイ子ちゃんになって退場しているし、ハリモトは『カルト教団の教祖』という立場を映画で扱うのは難しいのではないかと思われるからだ。この二人については、(立ち位置はそのままで)別キャラへの置き換えが必至であろう。

まあ、この状況でカルト教団教祖が登場したり、あるいはヨコヤが再登場するようなら、それはそれで、別の面白さも出てきそうではあるが。

想像して楽しむ敵キャラキャスト

ヨコヤ、ハリモトが新キャラに置き換えられたと仮定して……
それぞれに合いそうなキャストを予想してみると、だ。

ヨコヤ相当役には、大森南朋。
あまり感情を表に出さず、人を見下した冷酷な物言いのできるヒトということで。
最近、ドラマでもCMでもイイ人役が多いので、このあたりで冷酷かつ計算高い役回りも演ってほしい。イメージとしては、ドラマ『ハゲタカ』に登場した最初の頃の鷲津政彦のような切れ者の路線で。

香川照之は、あちこち出すぎだしなあ……。
中井貴一だと、ちょっと(性格的に)丸い気がするし……。
意外なところで松田龍平を起用しての兄弟対決とか……。

そして、ハリモト相当役には津川雅彦。
胡散臭さを持った絶対リーダー的存在。
ちょっと歳食いすぎな気もするけど、『腹に一物持ったオヤジ』という役どころなら、彼の右に出るものはおるまい。原作のような宗教団体ではなく、会社などの主従関係の縛りがきついグループのトップとして出せば、ハリモトの役どころで十分イケそうな気がする。

もう少しストレートな悪者っぽさを強調したいなら、江守徹とか。
ホントは、胡散臭さ重視で高田純次と言いたいところだが、彼だとゲームを無視してどこかへ行ってしまいそうなので。

イス取りゲームを劇場版に『詰め込む』ことへの一抹の不安

かように新作は楽しみでは、ある。
ただ、いくばくかの不安要素も残る。

一つは、ゲームのプレイヤーが多いこと。
劇場版公開発表において、プレイヤーは19名であることが明かされている。
原作の28名よりは少ないにしても、劇場版前作のプレイヤーが11名で、なおかつ前作では秋山、直、フクナガというドラマでお馴染みの3名がいたことを考えると、新作の19名という人数の多さが際立つ。今作は秋山以外は、事実上初登場となるわけで、それぞれのキャラづけなどは軽く済まされそうだ。

もう一つは、会場が無人島であること。
原作では、東西1.5kmにおよぶ広めの無人島が舞台とされていた。
規模はともかく、無人島という舞台設定は、劇場版でも引き継がれるようだ。

となると、必然的にゲームは屋外で行われることになる。
ゲームが屋外で行われるというケースは、実写版のライアーゲームでは、ほぼ前例がない(唯一、最初の『一億円奪い合いゲーム』には屋外戦らしきものもあったが)。

比較的狭く、薄暗い空間だったからこそ、ライアーゲーム独特の緊張感が醸し出せたように思えるのだ。
それが、広大な敷地と、明るい屋外で表現できるのかどうか。
製作サイドの力量と工夫が問われそうだ。

さらに一つは、時間。
映画の長さは、せいぜい2時間〜2時間半といったところだろう。
で、今回はヒロインが初登場となるため、その紹介やら素性やら、秋山との関わりやらで、最初の30分は持っていかれる。

残り2時間で、果たしてイス取りゲームの面白さが出し尽くせるのか?
かなりの部分が端折られたり、つじつまの合わない映画独自のアレンジが加えられたり、あまつさえ『続編を待て』みたいな展開にならないことを願いたい。

posted by たいにー at 23:36 | Comment(2) | TrackBack(0) | テレビ・DVD・映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2011年10月06日

ライアーゲーム新劇場版、イス取りゲームを題材に2012年3月公開決定

2回のテレビドラマシリーズ、そして劇場版でファイナルを向かえ、敵方となる事務局の破滅で幕を下ろした『LIAR GAME(ライアーゲーム)』。

あの嘘つき合戦が、新たなストーリーをひっさげて復活する。
毎日新聞デジタル(まんたんウェブ)から。

ライアーゲーム :ヒロイン多部未華子で復活 松田翔太は続投で続編映画化 (まんたんウェブ)

甲斐谷忍さんのマンガをドラマ化した「ライアーゲーム」の続編が、主演・松田翔太さん(26)、ヒロイン多部未華子さん(22)で映画化され、12年3月に公開されることが6日分かった。同作は10年3月に公開された劇場版「ファイナルステージ」で完結したが、ファンから復活を願う声が強く寄せられたため、“新生ライアーゲーム”として続編が作られることになった。今作は、原作のエピソード「イス取りゲーム」を映像化し、20億円をかけた戦いが繰り広げられる。
(以下略)

公開予定は2012年3月3日。
前作から2年の刻を経て、ライアーゲームが帰ってくる。

低予算の割に、興行的には成功したと思われる作品なだけに、何らかの形で続編が出るのではないかと思っていたが、ドラマなどではなく、直球で再びの劇場版をもってこようとは。

ストーリー的には、前回のゲーム(ファイナルステージ)で壊滅的な打撃を受けたライアーゲームの出資者たちが『秋山への復讐』という目的に掲げ、仕組んだ新たなゲーム(イス取りゲーム)に秋山たちが巻き込まれていく……というもの。

一応、前作を『なかったこと』にするつもりは、ないようで。
それがいいのか悪いのかは、なんとも言えないところだが。

キャストは秋山深一以外、総とっかえ?

前作はタイトルに『ファイナルステージ』を冠していることもあって、ストーリーに一応の完結を見ている。製作陣としては『神崎直のストーリー』を完結させたという見方で、新劇場版は、新ヒロインとなる多部未華子演じる『篠宮ユウ』の物語と位置づけているようだ。

ヒロインの交代は賛否両論あると思うが、前作を立てるという意味なら、私は英断だと考える。そして、そこに(ムリヤリにでも)松田翔太演じる『秋山深一』を絡ませたのも、これまた英断……というよりは必然か。

究極の選択として、秋山か直か、どちらかを残すとなった場合。
ライアーゲームの物語性と面白さ、どちらか一方のみを選択する場合。
選ぶべきは、ゲームとしての面白さであり、それを演出するのは、さまざまな策謀をめぐらせる秋山、ということになるのだろう。

ただ、このドラマならではのキャラクターが登場しない(と思われる)のは寂しい。
その代表格は、なんといっても『キノコ』ことフクナガ(鈴木浩介)。原作からこれだけかけ離れながらも、これほどの強い存在感をもって受け容れられたキャラが、かつていただろうか(原作は女性容姿のニューハーフ、実写はキノコ頭の男性ネイリスト)。

そしてもう一人、エリー(吉瀬美智子)も捨てがたい。
『感情が伝わってくる無表情』を見事に表現していた彼女の役どころは、作品の敵役としては異質な存在だった。新劇場版に登場する事務局は、前作とは中身が異なりそうなため、彼女の出演は難しそうだが、できれば何らかの形で登場してくれないものか。

ヨコヤ(鈴木一真)は……
前回の劇場版で、完全に改心してしまったため、再登場は望めなさそうだ。
ま、あのキャラでイス取りゲームの横屋の立ち位置が務まるとも思えないが。

製作スタッフはほぼ据え置きか

キャストがほぼ前面刷新される反面、製作スタッフは前作と同じ布陣のようだ。
といっても、現状で分かっているのは、監督と脚本のみ。

製作面における私の最大の興味は
『音楽担当が中田ヤスタカなのかどうか』
ということ。
この一点に尽きる。

ライアーゲームのあの雰囲気、あの緊張感が演出できたのは、そのカメラワークと音楽によるところが大きい。
中田ヤスタカ以外の選択肢はあり得ない。
果たして大丈夫か。

もし中田ヤスタカ以外の人が音楽担当になろうものなら、それだけで観る意欲が半減するのは、間違いない。
最悪の場合、過去のサウンドトラックからの使いまわしでもいいので。
ぜひとも、ライアーゲームは中田サウンドで。

この報道で最も重要な情報

いずれにしても、およそ半年後には、ライアーゲームを再び劇場にて楽しむことができそう。
ファンからすれば、十分に朗報と言えよう。
しかし、むしろ最も注目すべきニュースは、

また甲斐谷さんが手がける原作マンガが11年11月からマンガ誌「週刊ヤングジャンプ」(集英社)で連載を再開する予定であることも明らかになった。

これかもしれない。
連載再開、待ってましたッ!

posted by たいにー at 22:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | テレビ・DVD・映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2011年09月10日

第31回高校生クイズは、開成高校の二連覇で幕

第31回全国高等学校クイズ選手権。
大会は、東京都代表・開成高校の二連覇で幕を閉じた。

番組の全体構成は、ここ数年の知力偏重路線のまま。
いや、東大進学率(進学者数)偏重と言った方が適切か。
いずれにしても、言いたいことは過去記事でほとんど言い尽くしているので、今回は言い尽くしていない部分について、懲りずに連ねてみたい。

ちなみに、弊ブログでの過去の高校生クイズ評については、以下のリンクよりどーぞ。

今年も随所に見られた公平性のなさ

不公平っぷり……というか、公平性のなさについては、以前より指摘してきた内容。
今年も例外なく酷かった。

例えば、全30問の正解数で準々決勝8チームの席を争う全国大会一回戦。
22問目終了時点での上位成績は、以下のように紹介されていた

1位 北海道 札幌南 17P
2位 埼玉 浦和 16P
3位 東京 開成 15P
3位 兵庫 灘 15P
5位 大阪 大阪星光学院 他2チーム 13P
8位 宮城 仙台第一 他3チーム 12P
12位 神奈川 横浜雙葉 11P

上位校を紹介するにあたって『他2チーム』という省略っぷり。
こんな失礼な紹介の仕方があるだろうか?

仙台第一は被災地の学校として善戦、あるいは横浜雙葉は唯一の女性3人チームということで、番組がピックアップしたい気持ちはよく分かる。

だが、相手は高校生である。
一般人である。

例えが極端かもしれないが、高校野球で、ベスト8進出校のうち、4校は名前を挙げて、ほか4校などとすることがあるだろうか?
番組制作サイドは、観る側の興味を惹きつける努力も必要だが、出場している高校生たちの尊厳も忘れないでいただきたいのだ。

番組演出の的外れっぷり

クイズ番組としてのテンポの悪さは、以前にも指摘した。
そして、その難は未だに変わっていない。

そもそも、一問ごとに出演芸能人にいちいち感想を求めるのがうっとおしい。
難問とそれを回答する高校生たちが生み出す、いい意味での緊張感が、ことごとくぶった切られるのが、見ていて実に歯がゆく感じる。

その上、さらに気になったのが、CMに入る直前の

「このあと順位が激しく変動!」
「このあと、まさかの展開に!」

といった、先の展開を暗示するナレーション。

先々の展開をおぼろげに示そうとする意図は分かるが、ネタバレになるような演出はぜひやめていただきたい。あと、『まさか』かどうかは視聴者が決めることで、番組が押し付けるものではない。

東大進学率が高いところが優勝して当たり前。
逆に東大進学率が大したことないのに上位に進出してくる学校はダークホース扱い。
そんな風に番組サイドが学歴レッテルを貼ることに、何の意味があるのか。

一回戦で負けたとしても、苦難を乗り越えて出場してきた東北地方の学校の苦難をクローズアップするなどの演出が、(少しはあったものの)もっと強調されてもよかった気がする。
だが、この番組の方向性というか、今の高校生クイズが主張したい感動は、そういったものではない、ということなのだろう。

この番組を見て得るもの

クイズ番組は、本来、娯楽番組である。
番組内で紹介される問題に視聴者も参加し、

「あ、この問題知ってる」
「へー、そういう回答なんだ」

といった一喜一憂を、視聴者でも体験できる。

しかし、今の高校生クイズでは、それは叶わない。
番組から感じられるのは、超絶に難しい問題を、抜群の頭脳を持った高校生たちが、いとも簡単に回答していく、言わばショーである。視聴者はおいてけぼりだ。

さて、ここで。
番組を見て、『今の高校生は素晴らしい』といった感想を持つことは理解できる。
だが、そこから何かが生まれるだろうか?

あまりにもレベルが突飛過ぎて、「私も勉強がんばろう」とか、「来年は私も全国大会に出たい!」といった、何かしらの意欲やモチベーションを生み出す人は、極めて稀なのではないかと思う。

バカの一つ覚えみたいに『昔の高校生クイズはよかった』と連呼するのは、この『得るもの』が違うからかもしれない。本来、知力に乏しいチームでも、体力やチームワークで補って上位を目指すひたむきな姿勢。地方予選の一問目に正解しただけなのに、涙を流して喜ぶ健気な表情。そういったものに感動を覚えたからこそ、そして今の番組から派、そういった要素が失われているがゆえでもあるのだ。

『開成・田村』の呪縛

昨年、そして一昨年と、高校生クイズのタレントとして名を馳せた田村正資くん。
現役で東大進学を果たし、その様子は番組が追っかけ、日テレもかなり田村くんを利用してきた。

そして今年は、田村くんの抜けた穴を、リーダーの伊沢くんが中心となって開成チームをまとめ、見事二連覇を達成。同一高校のみならず、同一メンバーが所属しての二連覇。そして絶対的な存在であった田村くんの抜けた穴を補って余りある強いチームを作り上げ、頂点を極めたその足跡は、快挙というより偉業と言っていいだろう。

だが、番組そのものは、タレントとしての田村くんを手放せなかったようで。

田村くんは、今年も高校生クイズに出演を果たした。
開成高校OBとして、芸能人が座る番組コメント席に、彼も加わっていたのだ。
ことあるごとに感想を求められるその姿は、昭和のクイズファンにはお馴染み、往年のクイズ王・道蔦岳史を髣髴とさせる。

クイズの難易度や姿勢について、ことごとく田村くんの発言が取り上げられているのに対し、同じく同席した灘高校OB・岡辺くんは映像のみで、ほとんどコメントなし。

いくら優勝の実績があるからとはいえ、この差はなんなのか。
ここでも公平間の欠如、あるいは日テレの田村くん(開成)ひいきが露骨に表れている。

来年以降も、田村くんは高校生クイズのご意見番として出演する可能性が高いような気がする。
ゆくゆくは日本テレビに入社……なんてことはないだろうが、『高校生クイズから生まれた日本の天才頭脳』として、番組が最大限に利用するというシナリオは、大いにありうる。

番組の偏向ぶり。
東大進学率絶対神話の価値観。
そして特定高校、特定人物のひいきっぷり。

高校生クイズ云々というよりも、高校生を食い物にして番組構成している日本テレビの姿勢に、大いに疑問を感じた第31回大会であった。

posted by たいにー at 01:03 | Comment(4) | TrackBack(0) | テレビ・DVD・映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2011年08月29日

第31回高校生クイズは、9月9日(金)放送予定

毎年、決まってこの時期に放送され、
毎年、決まってこの時期にネタとして採り上げ、
毎年、僅かながらの期待が雲散霧消と化し、

……と流れを繰り返しつつ、今年も晩夏の風物詩・高校生クイズ9月9日(金)に放送予定。
タイトルは『第31回高校生クイズ 全国大会 日本を救う最強頭脳No.1決定戦』。
言うまでもなく、ここ数年の知力偏重路線ぶっちぎりですな。

ここ数年の路線転換に対しては、私のような否定派が存在する一方、高校生の頭脳明晰ぶりに感動する人も多いようで、賛否両論をより際立たせる結果となっている。

目に見えて意見を発信するのは否定派が多く、『あなたと日テレ』(日テレ内コンテンツの自己検証番組)に寄せられた意見は把握していたのだが、よもやBPO(放送倫理・番組向上機構)にまで指摘が行っているとは思わなんだ。

本放送を前に、ネタバレにならない程度の情報が、ちょろちょろと出始めているようなので、それらを拾い上げてみたい。

2011年・関東大会参加者は5,259人

例年、関東大会の会場は西武ドーム(西武球場)と相場が決まっている。
(第1回の後楽園球場や第26回の神宮球場などの例外もアリ)

ところが今年は、西武ドームを抜け出し、お台場潮風公園広場が会場となった。
集まった参加者は、5,259人(1,753チーム)。

昨年(4,134人)からは増加したものの、以前のような数万人規模の参加は見込めないと踏んだ日テレ側が、見切りをつけて分相応な会場に鞍替えしたということだろう。

会場を借りるのもタダではないわけで、身の丈に合った会場にすることは、番組制作サイドの判断としてはすこぶるまっとうである。西武ドームは、高校生クイズ(関東大会)の象徴的存在だっただけに、一抹の寂しさは感じられるが、それが現実というものだ。

22道県で単独開催するなど、地区予選会場が大幅に増加

第31回の予選は全国28地区で開催。
昨年が18地区開催だったから、実に10ヶ所も増えたことになる。

その上、単独都道府県での開催が22地区に。
関東や近畿などの大会は対象都府県がそのまま据え置かれていることから、参加者増を狙って、出場学校数の少ない地方を中心に各県開催に踏み切ったものと思われる。

こうした番組側の努力は、評価すべきかもしれない。
我々の頃なんて、全国10ブロック開催だったもんなあ。

各県開催になるのは、交通費や移動時間などの点で、確かに参加者の負担は軽くなる。
ただ、一ヶ所あたりの参加者が多くて数百人、少ないところだと数十人になる会場もあるようで、これではお祭り感覚というか、大会としての盛り上がりに欠けてしまうのは否めない。下手すると、周囲の見物客に対する『さらし者』状態になりかねない構図が、容易に想像できてしまう。

参加者激減の背景、高校生が高校生クイズに出場したくない理由は?

私が気になるのは、高校生クイズに参加しない高校生が『参加しない』理由。

「興味がない」
「部活や受験勉強でそれどころじゃない」
「そもそも番組を知らない」

など、さまざまな理由があるとは思うが、

「出場したところでどうせ勝ち抜くことはできない」
「(放送された全国大会のような)ハイレベルな内容についていけない」

と考える高校生がいたならば、それは番組方向転換の大きな功罪だろう。

超難問を軽々と回答する高校生を、ことさらに讃え、
出場した高校生の学校名を、必要以上に讃え、
クイズの成績ではなく、その学校の東大進学率だけが物差しとして計られる。

そんな番組の演出で、一般的な高校生が気後れするのは、仕方のないことなのかも。
もっとも、番組は『ふつーの高校生お断り』なのであれば、それは理にかなっているのかもしれない。

だとしたら、地方予選の各会場に、若手タレント、および若手芸人を大量動員して参加者像を狙うという戦略は、なんとも矛盾していることになるのだが。

結果、参加者の傾向は

  • 究極の知力戦を制する自信のある、成績優秀な高校生
  • 芸能人見たさのミーハー根性で参加する高校生

の二極化が進みつつあるのかもしれない。

第31回高校生クイズ、全国大会出場47チームの顔ぶれは

昨年優勝の開成(東京)を始め、浦和(埼玉)、旭川東(北海道)、東大寺学園(奈良)、灘(兵庫)、ラサール(鹿児島)といった東大進学率でも上位の常連強豪校が名を連ね、覇を競う。
現在の番組の方向性からすれば、ほぼ申し分のない学校が出揃った形だ。

とりわけ開成高校は、昨年、一昨年と話題を独占した田村くんと共に優勝を果たした昨年のメンバー二人が、今年も全国へとコマを進めた(田村くんは東大へ進学したようで、さすがですね。東進ハイスクールのWebサイトに彼の近影が)。

画的な見映えは昨年ほどではないだろうが、今年も開成高校を筆頭に、前述の強豪校を絡めたカメラワークがなされるのは、間違いのないところだろう。

番組的には、開成が勝とうが負けようが、

「開成が下馬評どおりの実力を発揮し、二連覇を成し遂げる」
「優勝候補筆頭の開成を破った高校が、下克上で優勝を狙う」

と、とぢらの展開にも持ち込めるわけで、開成中心の演出となるのは、今年も揺るぎないところだろう。旧来からの高校生クイズファンからすれば、大会最多19回目の全国大会出場を果たし、3度目の優勝を狙う東大寺学園にスポットを当ててくれた方が、まだ納得もいくのだが、開成という名前の重みは、それだけ大きいということなのだろう。どういう経緯を辿ったかは知らないが、開成が東京都代表になったことは、(現在の番組の方向性を考えると)日テレとしても喜んでいるに違いない。

未だに番組の方向性を礼賛する気にはなれないが、『ケチのつけどころ』を見極めるためにも、番組は見ようと思っている(嫌われるタイプだ)。

それにしても……。
毎回毎回、同じようなことを書いている気もする。
歳をとると、同じことを何度も言う(書く)ようになるのは、こういうことなのかもしれない。

posted by たいにー at 00:50 | Comment(2) | TrackBack(0) | テレビ・DVD・映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする