2010年09月01日

ネコのいる時計屋さん、吉岡時計店

たまに見かける、店頭にネコの姿があるお店。
武蔵小杉近辺だと、代表的なのは、新丸子駅西口から伸びるIDAIモール通り沿いにある仏具店『永松堂』。

そしてもう一つ、同じようにネコたちがお店の看板になっている時計屋さんがある。
吉岡時計店それが本記事のターゲット、府中街道沿いにある、吉岡時計店だ。

武蔵小杉駅・東急口と、綱島街道・府中街道の交わる市ノ坪交差点の中間あたりに位置する、吉岡時計店。
外観は、それはもう昭和の香りを色濃く残す、昔ながらの時計店だ。

このお店の存在は、武蔵小杉に住み始めたころから知っていた。
通りがかると、お店の前に、必ず何匹かのネコがたむろしているのだ。
冬場などは、店内でぬくぬくと丸くなっているネコの姿を遠めにも確認することができ、非常に和やかな雰囲気を醸しだしている。

知っていながら、入ったことは一度もなかった。
そう、今までは。

きっかけは、家人の腕時計

「いま何時?」
「えーと、11時半」

武蔵小杉駅近くのマクドナルドで訊いたその時間は、確実に間違っていた。
なにせ、家を出たのが13時過ぎだったからだ。

どうやら、電池が切れたらしい。
その足で、イトーヨーカドーの4階、時計売り場へと駆け込むも、

「これは当店でご購入されたものですか?」
「いえ、違います」
「申し訳ありません。輸入物のお時計は、取り扱いをいたしておりませんので……」

というわけで、電池交換できず。
『お時計』ってなんじゃ!? とか余計なツッコミをしつつ、家人はすっかり諦めモード。そのうち、ヨドバシカメラかビックカメラにでも行ってくるよ、と自己完結。

そこで、はたと思い出したのが、件の時計屋だ。

「そういえば、あのネコのいる時計屋に行ってみれば?」
「えー、でもー……」

ネコ好きの家人だが、時計店としては、いまいち不安を感じている様子。
渋る家人をむりやり言いくるめ、吉岡時計店の扉を開ける。

「すみません、腕時計の電池交換をお願いしたいんですけど」

匠のいる時計屋さん

外から眺めているだけだった世界に、ようやく踏み入れた第一歩。
その先にいたのは、お店の主とおぼしき、齢70前後のおじいちゃん。

確かに、家人が不安を抱くのも、無理はないかもしれない。

しかし、そこは時計の専門店。
さすがに生業にしているだけあって、輸入物腕時計の電池交換でも、二つ返事で引き受けてくださった。

作業を進めながら、いろいろな話を聞かせていただいた。

「この時計、何度か電池交換しました?」
「えーと、二回……三回くらいかな?」
「そうですか。ちょっと液漏れした跡があるんだよね」
「えっ、そうなんですか?」
「うん、多分、最初に電池交換したときのものだと思うよ」
「うわー、全然知らなかった」
「でね、今まで入ってた電池、スイス製のヤツなんだけど、これもダメ」
「ダメ、というと?」
「スイス製の電池も、液漏れしやすいんだよ」
「そうなんですか。いや、全然意識してなかったです」
「そりゃそうだよね。今回はほら、ちゃんと日本製の入れておいたから大丈夫」
「ありがとうございます」

そのほか、電池の寿命は約二年だとか、できれば寿命が切れる前に交換した方がいいだとか、物知らずな我々に、おじいさんはいろいろなことを教えてくださった。

そして、そのさらに奥では、別の男性(弟さん?)が、骨董品レベルの掛時計を磨いている真っ最中だった。
なんでも、藤沢から修理に持ち込まれたものらしい。近場で修理を請け負ってくれる店が無く、巡り巡ってこの店に辿り着いたものだという。
気がつけば、そのほかにも古めかしい時計やら部品やらが、所狭しと並んでいた。

「古くて使わなくなった時計とかあったら、持ってきてね」

とは言われたものの、そんな時計、親父の実家でもあるかどうか……。

ネコのいる、ネコだけじゃない時計屋さん

作業は10分程度で終了。
家人の腕時計は、再び、時を刻み始めた。

お年は召しているものの、昔ながらの時計店の看板を守り、その技術も確か。
これは、知っておいて損のない店の一つだと、確信した。

最近は、なにかと大型量販店に足を運んでしまいがち。
こういった『店と客との距離が近すぎる』ところは、敬遠されるのが現代だ。
それでも、思い切って入ってみれば、そこには新しい発見があり、思いもかけない出逢いがあったりもする。

参考までに、今回の電池交換は、某家電量販店でやってもらうよりも、費用が安く済んだということを、付け加えておこう(あくまでウチのケース例であり、すべてでそうなるとは限りません)。

ちなみに、お店のネコたちは、残念ながら、この日は不在。
代わりに、店内に飾ってあるネコの写真を眺めながら、あの子はこーゆー名前だったのか、と納得するのであった。

ネコが主役(?)のお店を紹介しておきながら、いずれもネコの写真がなくて申し訳ない。
ただ、それぞれのWebサイトに、愛らしい看板娘ならぬ、看板ネコたちの写真が掲載されているので、一度、ご覧くだされ。



posted by たいにー at 00:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | 武蔵小杉・新丸子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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